プログレスの月③~バイデン氏の場合~

前回はプログレスの月相について、山口百恵さんの例を見てみましたが、今度は、次期大統領に就任予定?のバイデン氏の例をチェックしてみました。

バイデン氏は、2019年の5月に水瓶座15度でプログレス新月を迎えています。実はトランプ大統領と安倍前首相も、昨年プログレス新月でした。

新月というと『種まき』というイメージですが、政治家として長いキャリアを持ち、高齢であるバイデン氏が、ここで再び政治家としての『種まき』にチャレンジする、その情熱の源をプログレスの月の流れで考えてみます(大きなお世話ですが。。)高齢という点ではトランプ大統領も同様ですね。

バイデン氏のチャート

要点を絞ってチャートを見てみます。

太陽と月・・・「知る」ことでコントロールするエネルギー(蠍座太陽)によって、あるべき姿を維持したい理想主義的な欲求(牡牛座月)を満たしていく。

牡牛座0度の月はシングルトンで強調されていて、欲しいものを現実的につかみ取る握力が人生を引っ張っていく。月のサビアンは【清らかな山の小川】。素質が開花する運命の流れは誰にも止められず、時間がかかっても行くべきところに行きつくのかも。

ディセンダント上の天王星・・・際立った個性や才能で、世の中にインパクトを与えたい

天王星は3ハウスルーラーで双子座にあり、太陽・金星とオポジション、土星とコンジャンクション。活発なコミュ力や知的戦略により、人道主義的な改革者でありたい。また、そのようなパートナーとの関係。

とにかく、常に何かを変えたい感じ?

10ハウス牡羊ポイントの海王星・・・理想的ビジョンの追求者として人々に知られる。(太陽・金星・アセンダント合の理想主義、牡牛座の月、DCの天王星と共鳴している。)

天秤座の海王星で八方美人的?ものごとを善なる方向へもっていきたい?

蠍座火星=太陽/月・・・仕事や対人関係において火星がとても重要。火星は5ハウスルーラーで、5ハウスの月と共鳴。「自己表現の舞台」で自己顕示欲を満たす必要あり

また、火星は冥王星とスクエア。ブルドーザーのような?精神的・肉体的タフさがあるが、過労による健康への影響が心配。12ハウス火星の「隠れた怒り」は建設的に表現する必要あり。

その他・・・蠍座の4天体はすべて12ハウスにある。すべてを知って裏で操りたい?

12ハウスは「舞台裏」、「政府」や「大きな組織」に関わると言われていて、公務への滅私・奉仕を示す。

個人天体である太陽・月・水星・金星・火星はすべて「不動宮」で、粘り強さ・継続する力を示しているが、頑固で柔軟性に欠けていて、変化するときは「大どんでん返し」になるかも。

まとめると・・・国家という大組織に身を捧げ、理想の社会のあり方を世に示しながら、粘り強い努力によって理想を現実化し、とにかく世の中を変えていきたい。

という感じでしょうか。

バイデン氏の経歴抜粋(Wikiより)

【ジョー・バイデン氏の生い立ちよりメモ】

ローマカトリック教徒。高校生の頃までは、父親の仕事がうまくいかず何度も引っ越した。少年時代から喘息を患い、5回の徴兵猶予を受ける。また、幼少期から吃音症に苦しみ、鏡の前で詩の朗読の練習をする。克服するのに20代前半まで費やした。近親者がアルコール中毒で自身は禁酒家。

「何度も引っ越した」のは、「ホロスコープの南への偏り」の様子と重なります。

お酒は「海王星」、喘息や吃音症は「水星、双子座、3ハウス」などが関連しそうです。

【経歴をピックアップしてみました①(政治的内容は除く)】

1966年(23才)ロースクール在学中結婚、2男一女をもうける

1969年(26才)弁護士として開業

1972年(29才)民主党から上院議員選挙に出馬、当選

1972年12月18日、妻のネイリアとこどもたち三人を乗せた車が衝突事故、妻と長女が死亡。二人の男の子は重症。議員職辞退を考えるが、周囲の説得により思いとどまる

1973年1月(30才)より通常通り議員活動続ける。息子たちのために、ワシントンDCに居住せず、ウィルミントンから片道1時間半かけて電車通勤

1977年(34才?)ジル・トレイシー・ジェイコブズと再婚、一女

1978年、1984年、議員として当選重ねる

1987年(44才)常任委員会の委員長~1995年

大統領候補に名乗りを上げるも、演説内容盗用の疑いで撤退

学生時代の論文盗用を公式に認めて謝罪

1988年2月&5月(45才)脳動脈瘤破裂により手術、生死の境をさまよう。リハビリにより7ヶ月で復帰。

ここまでのプログレス月相①(グラフ)

45歳、バルサミック・ムーン(新月前)のとき、脳動脈瘤破裂により生死の境をさまよい、奇跡的に回復されています。ちょうど占星術でいうところの「中年の危機」の時期でもあります。1989年のプログレス新月は重要な人生の転換期だったことがうかがえます。

アセン軸上の太陽(12)と天王星のオポジションは「高血圧」の可能性?

【経歴②】

2004年(61才)大統領選挙出馬断念。

2008年(65才)大統領選挙に挑戦、1月撤退

2008年8月27日、正式に副大統領候補に指名される

2009年1月20日(66才)副大統領に就任

2015年5月30日(72才)長男が脳腫瘍のため46歳で亡くなる。

2015年10月21日(72才)2016年アメリカ大統領選挙不出馬を表明

2017年1月12日(74才)副大統領としての功労を讃えられ、大統領自由勲章を受章

2017年6月、政治行動委員会「アメリカの可能性」設立

2019年4月25日(76才)2020年大統領選挙への出馬を正式に公表

2020年11月24日現在(78才)大統領に当選するも、トランプ氏が訴訟を起こす

プログレス月相②(グラフ)

2004年10月の満月、2008年1月に大統領選出馬を断念し、2009年1月には副大統領に就任します。2015年バルサミック・ムーンに入る頃にご長男をなくし、再び大統領選出馬を断念します。そして、2019年4月プログレス新月のときに、2020年大統領選出馬を公表していますね。

「プログレスの月」から見えてくること

P月の流れの中でバイデン氏の人生を見てみると、「あともう少し ”Almost”」という言葉が浮かんできました。

45才のバルサミック・ムーン(新月前)のとき、大統領選に名乗りを上げた後、脳動脈瘤破裂により生死の境をさまよいます。そこから不死鳥のごとく復活されてP新月を迎えるのですが、おそらく、そのあたりで、大統領になるという志を新たに胸に刻まれたのではと推測します。

そして、61才のときP満月を迎えますが、このときは出馬を断念しています。そして、その4年後(65才)、ふたたび大統領選から撤退しますが、オバマ氏の指名により副大統領に就任します(8年間)。

さらに8年後の大統領選については、出馬を断念してヒラリー氏の支持にまわります。大統領の地位は目前であるにもかかわらず断念した理由については、ちょうどその頃、ご長男が脳腫瘍で亡くなったことの影響が少なからずあったと想像します。

過去に遡ると、上院議員に初当選した矢先に、奥さんと娘さんを事故でなくされていて、満を持して出ようとすると何よりも大切なものを失う、、、何かそういう印象を受けました。

なので、バイデン氏にとっては、前回(1989年~1993年頃)蒔いた種、決意したことが、充分に実っていないと感じていたのかもしれません。達成まで「あともう少し」というのは、一番パワーが出るのだと思います。満足しきってしまうとそこで完了ですね。簡単にはあきらめない粘り強さ、欲しいものをつかみ取る貪欲さが高齢での挑戦につながっていると感じました。

バイデン氏の2019年の出馬表明は、ぴったり「プログレス新月」の時期に重なっています。今回は人生の歯車がうまくかみ合って、満を持して「出ていく」ときなのでしょう。今までの「あともう少し」をつかむために。

終わりに・・・トランプ氏について

トランプ大統領も、去年の9月にP新月を迎えています。

トランプ氏は、ビジネスマンとしてのイメージが強いですが、1999年10月にアメリカ合衆国改革党に入党したあと、2000年・2012年の大統領(予備)選挙に出馬しています。

2016年大統領就任時はバルサミック・ムーン(種まきの前の整地)でしたが、プログレスの太陽がアセンダントを通過、同時にプログレス太陽が獅子座から乙女座に入るという、強力な人生の転換期でした。また、昨年(2019年)はP新月とほぼ同時に、プログレスの月がアセンダントを通過し、これも新たなスタートを示しています。

まさに新たなスタートを切った感が満載ですね。なので、今の状況は「出鼻をくじかれた!」という気持ちかもしれません。

バルサミック・ムーンは、新しいものを取り入れるために不要なものを終わらせて、次に向けて「準備」する「整理整頓のとき」という【静】のイメージですが、トランプ氏の「バルサミックムーンでの大統領就任」は「今までの集大成」なのか、それとも「次のステップへの早めの種まき」なのか??過去に遡って見てみると、何か見えてくるのかもしれませんが、もう少し様子を拝見したいなと思います。

・・・・・

今回、無料のイラストサイトで「大統領」と検索したら、ほとんどがトランプ氏のイラストでした。トレードマークの髪型といい、アイコンになりやすいのですね。ご自分を効果的に演出しているのだろうと感心しつつ、トランプ尽くしで笑えました。

参考記事:
プログレスの月とノード軸~人生のサイクル~
プログレスの月②~山口百恵さんの引退~
プログレスの月④~バルサミックムーン〜ヘンリー王子の場合
プログレスの月➄~エリザベス女王と土星の話~

コメント

  1. クリリン より:

    いつも深い人物考察の投稿をありがとうございます。
    毎回学びを兼ねて楽しく読ませて頂き「これは!」と思うものは、印刷して
    ファイルに綴じています。
    バイデン氏の経歴とプログレス月相の流れの一致や、「大きなものを掴もうとする時、
    引き換えに自分の大事なものを失う」というコメントに同感しました。
    また山口百恵さんのプログレスの新月の時(3日しかズレていない)、結婚式を挙げたことはとても興味深いです!厳しい世界で生き残るために自分自身の『勘』が研ぎ澄まされていくのかな、と感じます。
    これからも都築さんの研究の一端を楽しみに拝見させて頂きます。(o^―^o)
    応援しています

    • 都築 裕子 より:

      クリリンさん、いつも心温まるコメントありがとうございます!とても励みになります。プログレスの月はとても強力な時期表示の一つなので、クリリンさんの活動のなかで何か発見があったらまた教えてください^^私も応援しています!

タイトルとURLをコピーしました