「令和のホロスコープ」その①からのつづき。。。
令和チャートのミッドポイントの中で AP=金星/海王星 に注目したことを前回の記事の最後に書きました。この記事ではその理由について書きたいと思います。
『令和』の意味 美と調和
まずは令和の考案者とみられ万葉集研究の第一人者として知られる国文学者の中西進さんがNHKのインタビューに応じて語られた内容から抜粋します。
『令』という字は『善』と近い。そして麗しいという概念をあらわす究極のことばで、乱れていない、破綻していない、整っているということです。『和』については「わかちあって皆で仲良くする。一人ひとりが尊敬されるのが『和』です。(中略)日本人は『和』を伝える使命がある。(中略)元号は一つの文化で、人間の自然そのもの、哲学です。日本人だけが元号で区切りをつけて意味を持たせて喜び合います。(中略)『令』には尊敬の気持ちがあり、人間の中で一番大事です。競争が奨励されるものではないので、自己を高め、仲良くしていくすごくいい目標ができたと思います。
『令』とは麗しいという概念をあらわす究極の言葉で『和』は分かち合って仲良くする。やはり『令和』という言葉は美しさや調和を表すのですね。
英訳は『Beautiful Harmony』、とてもよい訳だなと思います。
次に、一見『令和』とは関係ないようですが、ブラックホールの撮影に成功した件について書いてみます。ブラックホールの画像は私たちに何を伝えているのでしょうか?
ブラックホールの撮影に成功
2019年4月10日午後10時ころ、世界各国の人々がインターネット上で見守る中、イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)は、地球から5500万光年の彼方、おとめ座銀河団の中心にある銀河M87のブラックホールの輪郭(周辺構造の様子)の撮影に史上初めて成功しました。
それが意味することは?
この出来事について、あるライターの方が書いた記事を読んでなるほどと思いましたので、以下その概略をご紹介します。
「サイエンスライターで詩人のアメリア・アーリ氏が『この写真(ブラックホールの)が重要なのは、それが写真だからだ』と語った。ガリレオの時代、人類は天体を『見た』ときに初めてその存在を信じるようになった。また、アポロ計画で宇宙から撮影された地球の写真を『見て』、初めて人類は地球が丸いことを信じるようになった。そして地球の美しさを知り環境に対する意識が変わった。」
この観点は、
占星術で遠い天体(天王星以遠の)が発見されるたびに人間の意識が変化してきたと考えることと共通していると思います。
誰もが見えないと思っていたブラックホールの(周辺構造の)姿を視覚で捉えたことで、我々はその存在を「信じる」ようになり、それは人類の「意識」に何らかの変化が起こることを示しているとも考えられます。
ブラックホールは極めて強い重力で電波も引き寄せ吸い込む「究極の天体」と言われているそうです。奇しくもアインシュタイン博士の一般相対性理論によってその存在が予言されてから100年の節目の年に、「画像」によって正しさが証明されたことはとても画期的です。
博士が見つけたものは、100年の時を経た現代において、未来のものとして甦り脚光を浴びたのですね。
(後記:「画像」はブラックホール本体ではなく、存在を証明する周辺構造の画像で本体は真ん中の影の奥にあるらしい。「見えないけれど、ある」ということでしょうか。そう考えると、例えば「空気」のように指摘されて初めて認識できる何かにこれから気が付くのかもしれません。)
トランジットの金星・海王星(数え18度)
ブラックホール(周辺構造)の撮影に成功した約7時間前に金星が海王星にコンジャンクション(数えで魚座18度)しています。
ブラックホールのオレンジの輪をみつめながら「金星」と「海王星」について考えました。海王星は金星のオクターブ上の天体だと言われていますので、この組み合わせは(もっと良い表現がありそうですが)究極の「美」を表していると仮定すると「ブラックホール」の画像は地上的な美が極限まで高められた姿の象徴として私たちの前に現れた、のかもしれません。
魚座18度(数え)について。
18度(数え)は【星に照応する古い記憶の探索】です。極めて未来的なビジョンを手に入れると、それに縁のある古代の記憶も刺激されます。大きな領域で新しいビジョン・知識の発見をすると、それに対応したものを小さな物の中にも発見することになります。(松村先生の『ディグリー占星術』より一部要約)
つまり、忘れていた古い記憶の中に、あるいは隠されていた日常の小さなことの中にブラックホールと同等のものを見出すことができるということでしょうか。
「究極の美」とは?
アインシュタイン博士の思想についてウィキペディアより引用します。
- 世界観、宇宙観、宗教的感覚
アインシュタインは「自然法則こそが神」であり「≪人格のある神≫はいない」とする考えを持っていたともいう。(中略)
「理性における成功を強く体験した者は誰しも万物にあらわれている合理性に畏敬の念を持っている」とし、「科学、宗教、芸術など様々な活動を動機づけているのは、崇高さの神秘に対する驚きだ」としていた。
「自然法則」、「万物にあらわれている合理性」、「崇高さの神秘」、「究極の美」は、言葉こそ違いますが、何か共通のものを表しているのかもしれません。
おそらく、私たちは自然の中に(科学)、神仏の中に(宗教)、そして創造性の中に(芸術)、確かにそれを認め感服するのでしょう。これは、多分人類共通のものであることを考えると不思議な気持ちになります。
なぜ、今、ブラックホールは姿を見せてくれたのか?
『令和』は4月1日に公表されて5月1日に新元号としてスタートしました。ブラックホールはその間である4月10日に撮影に成功しています。
もしかしたら、ブラックホールという天体が示唆する人類の変化と『令和』が示すこれからの日本のあり方は同調しているのかもしれません。
・『令和』は「麗しさを表す究極の言葉」であり「分かち合って仲良くすること」を表し、
・「令和チャート」のミッドポイントである「AP=金星/海王星」は、「究極の美が公になる」ことを表します。
・そして「ブラックホールの撮影成功」は20世紀最大の発明である「一般相対性理論」を証明したのではと考えられています。その姿は奇跡という究極の美です。当日、金星と海王星がコンジャンクション。
・語呂合わせですが、ブラックホールは「輪(ワ)」、『令和』は「0(零)」と「和(ワ)」です。
ブラックホールの可視化が人類の意識の変化を象徴しているとすると
令和の時代は、
「万物にあらわれている合理性=究極の美」というものを多くの人が身近なところで見出す、
遙かな過去の中に最新の真実を見つける、
見えるはずがないと思っていたものが見えるようになる、
頭の中で描いたものが実現する、
などということがあるのかもしれません。
もう一つ、
ブラックホール(周辺構造)の姿は、メキシコ、ハワイ、北米、チリ、スペイン、南極など世界各地の電波望遠鏡をつないで”一つの大きな望遠鏡”のようにすることで撮影されました。その解析度は人間の視力の約300万倍に相当するそうです!
そのようにしてできた望遠鏡だったからこそブラックホールは姿を見せてくれたように思います。協力してつながって輪=和を作る、宇宙研究の分野では国際連携協力が進んでいるのですね。
・・・・・
国文学者の中西先生が仰るように、
『令和』とは日本から世界にむけて『Beautiful Harmony』というメッセージを発信していく時代なのかなと思います。
我々は古い記憶の中から、あるいは日常の中に、宇宙的・未来的なものの縮図や忘れ去られていた何かを思い出すのでしょうか。ブラックホールの撮影は、そのような回路が開かれたということを示しているのかもしれません。。
【追記メモ】
「ブラックホールの写真」は厳密にいうと、ブラックホールそのものではなく、「その強力な重力によりつくり出された周辺構造の様子」。(本体そのものの姿を見ることは今のところ不可能。)
【追記】
・2019年5月6日の『National Geographic』の記事より。”大きな領域で新しいビジョン・知識の発見をすると、それに対応したものを小さな物の中にも発見することになる”一例として。
学術誌「Physical Review Letters」に掲載された論文によると、まったく新しい方法を使って雷雲全体の電圧を分析したところ、瞬間的に13億ボルトにも達していたという。
雷が、地球上の物理学者の手が届く最も強力な天然の粒子加速器のひとつであることを、この研究結果は示唆している。
「こうした高エネルギーを研究できる対象は、はるか遠方にあるブラックホールや超新星に限りません。空を見上げればすぐそこにある雷でも研究できるのです」
・2019年6月1日~10月6日、パリの北にあるシャンティイ領地で開催される展覧会に、今まで謎に満ちていた『裸のモナリザ』が展示される。ダ・ヴィンチにとっての古代を模範にした理想美の概念を表現したものと考えられている。
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