実感しやすい時期表示~プログレスの太陽と月~

プログレスの太陽と月についてあらためて考えてみたら、結構興味深くなるほど~と思ったので記事にしてみました。

よろしければお読みください!

中・長期的な時期表示としてのプログレス月

占星術の時期表示には、短期・中期・長期を示すものがあり、「プログレス月・月相」は、中・長期的なサイクルと言えます。

  • プログレス月は、一月に約一度、約2年半で一つのサイン/ハウス*を進行します(中期的)
  • また、平均して7年で軸(AC・MC軸)を通過して*、27年でチャートの元の位置に戻ります(中・長期的)
  • そして、プログレスの新月から約29年後に、次の新月になります(長期的)

月なので、感情(内面)における変化ですね。「今はこんなことをしたい気分~」という感じ?

プログレス月をチェックすることで人生を俯瞰し、「今の自分はここにいるのだな~」と確認、その上で現在~近未来に焦点を絞ると、とてもイメージがつかみやすいと思います。

その他、

  • プログレス太陽は約30~31年でサイン/ハウス*を移動し、人生の目的の変化を示します(長期的)

プログレス太陽については、進行中のサイン(および度数)が、人生のベース音として強力に表れているな~と思います。

特に、プログレス太陽がサインを移動するときには、人生が大きく変わるケースをわりと見かけます。

そこで、あらためて、プログレス太陽と月、そして、プログレス新月についての実例をいくつかチェックしてみました。

*出生地や出生時間により、AC軸に対するMC軸の角度が変わるため、各ハウスおよび軸から軸への幅には偏りが生じます。つまり、プログレス太陽や月の、各ハウスや軸から軸への運行期間は、長くなったり短くなったりします。

プログレス太陽の実例

まずはプログレス太陽の実例から見てみましょう。

プログレス太陽のサイン移動

人生の目的の変化の表れとして、仕事を変えるというのはわかりやすいですね。

途中でキャリアを変えた人物として、まず二人思い浮かびました。

① アーノルド・シュワルツェネッガー(俳優、元カリフォルニア州知事)

1970年、23才のときにボディビルダーから俳優への転身を果たし映画デビュー

P太陽は獅子座28度(まもなく乙女座へ)

2003年、56才のときににカリフォルニア州知事に就任

P太陽は天秤座0度

天秤座で政治の世界へ、納得ですね。

② ロナルド・レーガン(俳優、アメリカ合衆国大統領)

1940年代後半~1950年代(30代後半~40代)、俳優として活動しながら政治への関心が深まる

48才の頃、P太陽は牡羊座へ

1967年、カリフォルニア州知事に就任

P太陽は牡羊座12度

1981年~1989年、69~77才のときにアメリカ合衆国大統領をつとめる

⇒P太陽は牡羊座26度~牡牛座4度

一説によると、1984年(P太陽は牡羊座29度)にはアルツハイマー病の兆候がみられた。後半は政策の詳細には関わらなかったものの、高い支持率を保ったまま任期を全うして引退。

P太陽牡羊座の時代に、政治家として走り切ったという感じですね。

最近の人物としては・・・

③ 大谷翔平選手

2013年、18才の頃メジャー行きを延期して日ハムに入団

P太陽は獅子座0度

現在のP太陽は獅子座10度

日ハム時代に、栗山監督の指導により二刀流への挑戦を始めました。

④ 藤井聡太七冠

2007年夏、5才のときに祖父母から将棋の手ほどきを受ける

P太陽は獅子座0度

現在のP太陽は獅子座15度

現在はちょうどサインの折り返し地点です。

➄ 山中伸弥教授

2012年、49才のときにノーベル生理学・医学賞を受賞

P太陽は蠍座0度

現在のP太陽は蠍座11度

2010年4月、iPS細胞研究所の初代所長に就任(P太陽は天秤座27度)。

2022年3月、「人生最大の決断の一つ」として所長を退任(P太陽は蠍座9度)。

今後は、研究と応用・実用化の間の橋渡しをしながら、自身の基礎研究をこれまで以上にやっていきたい、とのこと。

P太陽蠍座で「研究」に力を注ぎたいというのは、これも納得ですね。

⑥ とにかく明るい安村さん

2014年、コンビを解散後芸人引退を考えるが思いとどまり、ピン芸人として世界進出を目指す

P太陽は牡羊座26度

2018年、P太陽は牡牛座へ

2023年、イギリスの「ブリテンズ・ゴット・タレント」で決勝に進む

P太陽は牡牛座4度

・・・

いくつかの実例を挙げてみましたが、やはり、P太陽がサインを移る前後は、人生の目的や方向性が変化する傾向があるように思います。

変化が現れるタイミングとしては、前のサインの26度あたりから次の「準備」が始まる、あるいは、次のサインの4度くらいまでは前のサインの「延長戦」である、とも言えるでしょう。

プログレス太陽の度数

P太陽が一つのサインを進む中にも、春夏秋冬のようなサイクルがあります。

今回は、5度ずつ「6つ」に分ける方法を参考にしてみました。(引用:『決定版‼サビアン占星術』松村潔著)

  • 1~5度…始まりの力
  • 6~10度…感受性の育成
  • 11~15度…行動実験
  • 16~20度…対抗性質を導入
  • 21~25度…サインの力の開花
  • 26~30度…サインのまとめ、次へ

これらはサビアン度数なので、チャートに表示される度数に1を足します。たとえば、牡牛座0度00分~0度59分であれば、牡牛座1度とします。)

これを参考にすると、例えば、大谷選手は「行動実験」に熱中するときであり、藤井棋士は「サインの折り返し点」で弱さを克服するときと言えるでしょう。

お二人とも、P太陽が不動宮・火のサインである獅子座を進行中で、「創造力」の開花にむけて邁進されている感じですね。

そして、とにかく明るい安村さんのP太陽は牡牛座の初期にあり、これから大金を掴むのかもしれません?!

プログレス新月が起こる度数

P太陽とP月の関係(月相)について考えてみると・・・

例えるならば、プログレス新月~満月は、夜と昼のサイクルであり、「気」の充満と放出であり、呼吸のようなものとも考えられます。

「気」の源は太陽であり、P新月で、月は太陽から新しい目的、エネルギーを受け取ります。

P太陽のサイン移動は「人生の目的の変化」であるのに対して、P新月は「新しいテーマの始まり」と言えるでしょう。

「変化」と「始まり」。

似ているようで、少しニュアンスが違うのかもしれません。ですが、どちらも重要な時期表示であることは確かでしょう。

では、P新月がサインの中のどの度数域で起こるかによって何か違いはあるのでしょうか??

実例を参考に考えてみたいと思います。(大きなお世話ではありますが。。)

藤井聡太七冠

生年月日はWikipediaより。出生時間はネットで見つけたものを採用しました。

2002年7月19日午前2時21分、愛知県瀬戸市生まれ(出生時間は仮*)

出生データが正確ならば、藤井棋士は、来月(2023年8月)、獅子座16度でP新月を迎えます。

現在、早ければ秋にも八冠達成か?!と言われていますね。

新月前は暗闇であり、P新月は「新たなテーマの始まり」を示すと言われていますが、破竹の勢いの中での「新たなテーマ」とは何だろう?ととても興味深いです。

サインの真ん中、対抗性質の導入

獅子座16度(サビアン度数17度)でのP新月ということは・・・

P太陽の「16~20度、対抗性質の導入」という要素を、P月は受け取ります。

獅子座の「舞台の中央でスポットライトを浴びる自分」に対して、オポジションである水瓶座の「舞台に関わる全ての人・もの」に意識を向けるという要素が入る度数域ですね。

そして、それが約29年間のテーマとなります。

そのテーマとは、将棋の普及ということかもしれませんし、新たな楽しみ方の発見かもしれません。

または、将棋界全体の中での自分を演出するのかもしれません。

アセンダントの土星(の可能性)

ここで注目したいのが、

藤井棋士のチャートは、出生時間が正しければ、アセンダントに双子座の土星がピッタリとのっていることです。実際、若いのに老成した感じがありますよね~

アセンダントの双子座土星は、「将棋の権威」としての象徴的存在となる可能性を示しているように思います。

今後、八冠を達成した暁には、タイトルに向けて挑戦する立場から維持・防衛する立場に変わります。

(少なくとも、七冠については、挑戦を受けて立つことになります。)

なので、P新月のタイミングで対抗する性質を取り入れて、さらに、アセンダントの土星が鍛えられていくのでしょう。

より完成された獅子座を目指すことと、努力、困難、忍耐を要する「土星のテーマ」に取り組むこととは、よく共鳴しているように思います。

(*出生時間を12時と仮定すると、プログレス月の誤差は最大で前後約6度≒約6か月になります。なので、出生時間が不明でも、約半年以内の誤差でプログレス月の位置がわかります。)

プーチン大統領

プーチン大統領も、astro.comのデータが正しければ、今年8月に射手座25度でP新月を迎えます。

さらに、それは射手座26度の出生図の火星の上で起こります。(興味深いですね)

遡ると、2000年に大統領に就任したとき、P太陽は射手座2度でした。

射手座の初期度数は「蠍座が示す癒着への反発、闘い」という意味がありますが、プーチン氏は軍のスリム化を断行し、軍が力を持ち過ぎないように改革を行ったそうです。

現在、P太陽が射手座の終わりにあって、軍組織が揺れている感じがすることと一致する部分がありますね。

P新月の度数「射手座26度(サビアン度数)」は、最後「サインのまとめ・次へ」のグループです。

射手座の「火」は、次のサインである山羊座の「土=限定された組織」の中で、その主張や思想が通用するか試そうとする度数域です。

そして、それが今後29年間のテーマであると言えます。

出生図の火星の上で起こるので、今年~来年あたりは特に、理想、思想、ビジョンなどを主張して、それが試されることになるのでしょう。

ですが、そこには、やがて射手座の「主張」よりも山羊座の「現実・組織」が優位に立つという予感があります。

5年後には、P太陽は山羊座に入り、主張の火は一旦土に埋められて、現実を直視せざるを得ない状況になるのかもしれません。少なくとも、人生の目的に何らかの変化があるのでしょう。

★ちなみに、ロシアのアレクセイ・ナワリヌイ氏の現在のP太陽は「蟹座28度」。来年(2024年)10月に獅子座に入ります。

獅子座初期度数は、内面の火の爆発を示しています。現在は捕らわれの身のようですが、近いうちに、何らかの方法で強い意志表示があるのかもしれません。

まとめ

こうして考えてみると、P太陽の大きな流れの中で、P月が呼吸(新月~満月)をしているというイメージが浮かんできます。

実は全ての天体配置はサイクルで成り立っていると思うのですが、特に、P太陽やP月は個人の内面のサイクルであり、感覚的にピッタリくるものがあるのでしょう。

・・・

私事ですが、現在、プログレスの太陽は山羊座の終わりにあります。つまり、約30年近く山羊座の太陽を体験してきたことになります。

振り返ると、地域社会での役割や義務を重視し、確かに山羊座的だったな~と思います。(出生の月が山羊座なのでより強調されたかも)

最近は、地域社会での役割は終えた感があり、さらに、これまでの人生で「当たり前」と思ってきたものもやめたい気持ちが湧いてきました、というか、やめてもいいのだ!と気付きました。

その感じは、P太陽の水瓶座入りに向けての準備というのがとてもしっくりきているところです。

ご自分のP太陽が現在どこにあるかピンとこない場合は、ぜひP太陽のサインと度数域を調べて、さらにサイン移動の時期に注目してみると興味深いと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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