日食・月食について その①~ノードのパワーとトランジットの影響~

5月26日は射手座5度での皆既月食でしたね。ウォーキングの途中、ふくらんでいく月がぼんやりと見えました。

あらためて『Eclipses (by Celeste Teal)』のPart Iに記されていることをもとに、【日食・月食】について自分の覚書を兼ねてまとめてみました。

日食・月食とは

【日食】は新月ドラゴンヘッドドラゴンテイルから18.5度以内のときに起こります。太陽―月―地球が(ほぼ)一直線上に並び、月が地球と太陽の間を通過するときに太陽を隠します。

【月食】は満月ヘッドテイルから12.25度以内のときに起こります。太陽ー地球ー月が(ほぼ)一直線上に並び、月が地球の影に入ります。

ヘッド&テイルは、地球から見た太陽の見かけの通り道である『黄道』と、月の通り道である『白道』の二つの交点です。(太陽と月は、見かけの軌道が少しずれているのですね。)

そして、ヘッド&テイルは常に180度を形成し、約18年半かけて12サインを逆行して一周します。

なので、一年間に2回ほど、太陽がヘッド/テイルとクロスするときに日食が起こり、その前か後の2週間で月食が起こるわけです。

ドラゴンヘッド・テイルのパワー

ドラゴンヘッド・テイルは、それぞれノースノードサウスノードとも言われます。

【ノード(node)】には『結び目』や『集合点』『節』などの意味があります。

コンピューターネットワークに例えると、点(装置)とそれを結ぶ線(伝送路)のうち、「点」を【ノード】と言い、コンピューターやプリンター、ルーターがそれにあたります。

確かに、私たちはスマホを通して集まったり情報を交換したりしていますね。今やスマホは手のひらサイズでありながら、巨大な「人と人の結び目」とも言えます。

ポータルとしての役割

占星術でいう【ノード】にも宇宙エネルギーが流れる「ポータル(入口)」の役割があります。

そのため、【食】によって刺激を受けて開いたままになった「サインの度数域」を、その後他の天体が通過すると、新しいエネルギーが状況を活性化してイベントが起こりやすくなります。

例えるならば、パチンコでフィーバーしてチューリップが開いたままになり、そこに玉がどんどん吸い込まれるという感じでしょうか?!

【食】による影響の期間

【食】には「誕生~成熟~衰退~死」のプロセスがあり、その寿命は1年~7年、平均して3年半ほど影響が続くと本には書かれています。

(食の寿命は「食の1時間」を「1年」として考えるそうです。)

一般的には、月食よりも日食の方がパワフルで、月食の影響は約半年と言われていますが(月食の1時間を一ヶ月と考える)、本の執筆者であるCeleste Teal氏は、研究の結果、月食にも日食と変わらない影響力があると述べています。

ドラゴンヘッドとテイルの違い

【食】は時代のテーマ、できごと、あるいは変化が必要な場所を示し、人々が注意を向けるために危機を作り出すこともあります。

そして、ヘッドやテイルに近いほど【食】は強力になり、数ヶ月から数年の間に社会や個人に深い変化が起こる可能性が高くなります。

ヘッドまたはテイルで起きたときの違いは、

【ドラゴンヘッド】は新しいエネルギーの流入であり、現実的で物質的な獲得を促します。

【ドラゴンテイル】は蓄積されたエネルギーの放出であり、何かを提供すること(恩返し・奉仕・犠牲・損失など)が求められます。

ヘッドとテイルは互いにつながっていて、ドラゴンヘッドで行ったことはドラゴンテイルでも結果や影響として現れるので、ヘッドで与えられた力の使い方には注意が必要です

イメージとしては、龍の頭と尻尾はつながって円を描き、龍の頭が火を吐き、龍の尻尾が煙を吸う様子を思い浮かべるとわかりやすいようです。

一般的には、【食】の前後は誤った選択をしてトラブルを招いたり、計画がなかなか固まらないときなので、大きな決断や変化は避けた方がよい、と本には書かれています。

エレメントによる【食】の影響

【食】が起きたサインは「大きく変化する事柄」を示すことが多く、また、サインのルーラーは「その影響を受ける人々を特定する」のに役立ちます。

ここでは、サインのエレメントが示す【食】の傾向を本から抜粋してみます。

火のエレメント

人の不和、過度の暑さ、雨不足、火事、熱病、戦争、軍隊の移動、偉人の死や投獄、宗教上の紛争など。センセーショナルなできごと。

地のエレメント

不況、金融問題、貿易や農業の混乱、干ばつ、欠乏、飢饉、作物や果実の危機、火山の噴火、雪崩など。現実的な問題。

風のエレメント

社会的な動揺、反乱、分裂、嵐、パンデミック、党派の分裂や離反、同盟関係の変化など。知的好奇心。

水のエレメント

庶民の死亡率の上昇、不安、反逆行為、薬物問題、大雨、高波、海難事故、水辺の生物の破壊など。感情的な動機。

(「各サインのできごと」や「そのルーラーが示す人々」については、一般的に言われている傾向を考えていただければよいと思います。)

サインのルーラー以外に【食】に影響を与えるのは?

【食】が起こるときに、太陽や月の3度以内に別の天体があった場合、それは【食】の新しい『主』になります。

もしも、その天体が太陽や月と同じ度数であれば、その天体が【食】のサインのルーラーを上書きする可能性があります。それがマレフィックであればより深刻です。

【食】が活発な期間中に起こることは?

では、【食】前後とその後数年間は、どのような流れになるのでしょうか?

①【食】の直前直後には、対処すべき問題や数ヶ月・数年後に見直される問題の告知としてのできごとが起きやすい。

②【食】のときに開かれたポータルは約3年半の間あいたままになるため、他の天体のトランジット(合またはオポ)により新たにエネルギーを提供されたり、圧力を解放されたりして、最終的な解決に必要なできごとを引き起こすことがある。

つまり、【食】の隠された力の一つは、それが長いプロセスの始まりに過ぎず、のちに明らかになる、ということです。

ですから、【食】が起きたときだけでなく、【食】の特徴を参考にしてその後数年間のトランジットを考慮する必要があるのですね。

「火星」と「土星」の重要性

古代の人々は、【食】を活性化するのは「火星」【食】を完成させるのは「土星」だと考えていました。本の中でも、とくに「火星」と「土星」に注目しています。

本には【食】が”終わる”には、以下の2つの方法があると書かれています。

一つは、食そのものが終わること(平均3年半)

もう一つは、土星が食の度数にコンジャンクションやオポジションで通過することです。

この二つのどちらかが起こるまでは、毎年火星の通過のたびに【食】の可能性がかきたてられるのです。

なので、年に一度の火星通過で状況が際立ち、土星通過でお片づけをしていく感じですね。

【食】度数の土星通過については、本には『特別なチャンスの窓』が開かれるとき、と書かれています。ものごとを変化・適応させて安定させるのは、やはり「土星」の働きなのですね。

一般的に、個人でも国でも、トランジットのタイミングでの影響はよく知られていますが、出生チャートの天体やポイントが【食された】場合は、そこがスーパーチャージされて敏感な状態が続き、数年間にわたって、より一層顕著なできごとが起きる傾向があるようです。

通常の時期表示では説明できなかった、個人の長期のできごとについて調べたら、その始まりの頃に、出生図の重要な天体の上で皆既日食があって納得。。食は奥深いですね~~。

【食】に対する天体の刺激

主な天体について、【食】度数通過(合・オポ)のときの影響について抜粋しました(土星については後述。)

・・・大衆の気分の変動を反映。スピートが早いので単独では目立ったイベントを起こすことはないが、重要なイベントのときには重い天体と一緒に動くことがある。

太陽・・・生命力、精神力、活力を与える。(太陽については、【食】の3か月後のトランジット(スクエア)も考慮する。)

火星・・・争い。【食】に関連した最もダイナミックなできごとをおこすことが多い。対立を提示してものごとを開始する。年に1回ほどコンジャンクションかオポジションで刺激する。

木星・・・幸運、豊かさ。良くも悪くも拡大をもたらす。

天王星・・・独創性、ユニークさ、奇抜さ。予想外のものをもたらす。

海王星・・・ミステリー、霧、創造性、無私の奉仕、欺瞞、裏切り、神秘主義者、秘密の敵。現実と想像の区別がつかない。

冥王星・・・火星に似た影響力。破壊的。ゼロからのリノベーション。冥王星が【食】に関わると、ゆっくりと激しく慎重にリニューアルをもたらし、ときに爆発的な力をもつ。

*木星以遠の天体が【食】が活発な間に通過する(合・オポ)ケースは少ないので要チェック。

土星について

先にも書いたように、【食】への土星の影響はとても重要です。

土星・・・終結をもたらす。【食】が示す状態の成熟した発展。変化の象徴。苦労して手に入れた報酬。収縮、制限、奪われるもの。カルマ的なできごと。構造の弱点を改善するためのテスト

土星はゆっくりと慎重で永遠に続くような状況と関連しています。土星は完璧を求めるため、努力したことが停滞したり、イライラするような障害により進歩が遅れがちです。

土星が【食】度数に何週間もとどまるときは、時間をかけて達成したことを学び、残されている不備欠点を手入れすることができます。

つまり、土星は、地上のできごとを通して、自分の努力が最後のプレッシャーに耐えられるかどうかを教えてくれます。この最終的な見直しにより、長期的な目標をより賢明に調整することができるのです。

【食】がまだ活発なときに土星が通過することは珍しいですが、それは、状況を変える『特別なチャンスの窓』であり、火星のモチベーションによって、結果として変化が実現することが多いようです。

土星通過は特に要チェックですね!

さらに、【食】は不均衡な場所を示すことが多いので、カルマのバランスを求める土星の要求は、「ある場所から奪い別の場所に置く」という大きな変化をもたらすのかもしれないことを覚えておいてください、と著者は書いています。

【食】の条件について

Teal氏による、パワーのある【食】の条件は以下のとおり。

  • ノードから10度以内の【日食】、5度以内の【月食】
  • 【食】の度数に対して、4年以内にTr土星による合またはオポを受ける
  • 【食】の太陽や月から3度以内に他の天体がコンジャンクション
  • 【食】が牡羊ポイントで起こる(活動宮0度+-1.5度くらい)出来事のドミノ効果
  • 【食】が活動宮13度で起こる(バランスや均衡を保つための重要な度数)
  • 【食】が世界のリーダー(人や国)の太陽や月に合またはオポ(3度以内)
  • 【食】が世界のリーダー(〃)の、その他の天体やアングルに合またはオポ(3度以内)

これらに該当する場合は、それぞれ決められた点数を加算していきます。特に牡羊ポイントで起きた場合は、+3点で重要視しています。

その他のチェックポイントは?

上記のほかに【食】がもたらす影響については以下の点を考慮します。

  • 【食】はヘッドで起こるか、テイルで起こるか?(上記参照)
  • 【食】はどのサインで起こるか?(エレメントについては上記参照)
  • 【食】のルーラーは?(上記参照)

また、【日食】は外に向かって現れ、国家や世界のリーダーに影響を与えるできごとを示し、【月食】は一般の人々に影響を与える状況を示します。

日食や月食によってパワーや特徴はさまざまですが、もしも個人の天体やアングル(特に太陽や月)の上で起きたときは、たとえそれほどパワフルでない【食】であっても個人への影響は大きくなる、と書かれています。

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以上、『Eclipses (by Celeste Teal)』のPart Iの要点をあげてみました。とても興味深いですね。

その中で、ジェロームカルダンが「いかなる食も地球全体に欠乏や疫病をもたらすことはできず、また疫病が一か所で4年以上続くこともない」と述べていたことについて書かれていました。

それはおそらく、【食】には範囲と寿命があるという前提からきていると思うのですが、特に「疫病が一か所で4年以上続くこともない」という部分から、現在のコロナの「終結」が見えるかもと思いました。

そこで、次回(その②)は、コロナと【食】について書こうと思います。(予定)

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【ご参考記事】

日食・月食について その②~コロナとその他のできごと~

日食・月食について その③~重要なチャートと東京オリンピックの延期~

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後記:

先日の射手座5度の皆既月食は、私の出生図の水星の上で起こりました。何が起こったかというと、ちょうど4年前に海外赴任した夫が月食の3日前に無事に帰国しました。

水星は7ハウスルーラーで配偶者を表すので、自分にとって重要な食だったのだな~と納得でしたが、4年の間に主婦魂がすっかり枯渇したので?!、新しい生活に慣れるのにいろいろと調整中です(笑)。

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