蟹座と天秤座のスクエア

2月末現在、ロシアのウクライナへの侵攻状況が一変して、想像を超える現実が展開しています。

長い歴史の中で培われた価値観・視点の違いや、一人の人物が権力を独占することの恐さを痛感するとともに、怒りが湧いてきます。

争いが収束することを祈りつつ、(政治的なことは不詳なので)せめて占星術でみてみようと思いました。よろしければお読みください。

ロシアとウクライナの国の始原図はよくわからないので、ゼレンスキー大統領とプーチン大統領の出生図をもとに考えてみました。

二人の出生図

まず、両者の出生図をざっと見てみました。

ゼレンスキー大統領のホロスコープ

1978年1月25日生まれ、44才。データはAstro.comより。

・水瓶座の太陽(金星)、獅子座の月(火星・土星)

自由・平等・人権を理想に掲げて、力強く派手にアピールする。反骨精神。

ゼレンスキー大統領は、もとコメディアンだったそうですね。人々を笑わせる、引きつけるというショー的なプレゼンは大得意なのでしょう。この、獅子座―水瓶座のオポジションが強力ですね。

北半球の天体は逆行が多く、全体としては南・西半球への偏り

社会のため人のために自分を捧げる傾向があるかもしれません。

それに共鳴しているのが、水瓶座の太陽、6ハウスの天王星、そして、ディセンダントの海王星など。海王星は、弱者や援助を必要としている存在を示しているかも。

また、海王星は映像やイメージも表し、それらを通して人々に訴えかけるのでしょう。

IC近くの月と土星は、ルーツや母国の安全を必要とする気持ちや責任感でしょうか。

山羊座の水星は冥王星とスクエア、火星とクインデチレ(165度)

戦略的で緻密な思考、極度の集中力。

ミッド・ポイント 他

月=海王星/冥王星
極端な創造性の可能性。高い感受性。評価されることへの不安。

天王星=海王星/冥王星
評価を得るための混乱。冒険的なエゴの押しつけ。岸に上がるための波作り。

tr冥王星=木星/土星
2022~2023年、木星と土星のセクスタイルに、tr冥王星が150度でYod形を形成。
不屈の忍耐、不敵、自己演出、状況のコントロール。

(ノエルティルの解説から引用)

海王星と冥王星のミッドポイントは、「超自然的」とか「感覚や感受性の激化」などの意味があり、天王星とのスクエアもあって、獅子座の月が並々ならぬ不思議な?力を得ていそうです。

月のサビアンは「化学の先生」。抜け穴の発見、と松村先生の本に書かれています。

大変厳しい状況ではありますが、ゼレンスキー大統領にとっては、「波にのって岸にあがり、評価を得るチャンス」と言えるのかもしれません?

現在、ソーラーアークの天王星(MCルーラー)が牡羊ポイントで「改革」や「独立心」などが際立っています。また、2020年9月にプログレス新月を迎え、今は「種まきのとき」と言えます。

プーチン大統領のホロスコープ

1952年10月7日生まれ、69才。データはAstro.comより。Source RatingがDDなので、出生データは不確かであることを前提に見てみました。(1950年生まれの説もあり。

天秤座の太陽(土星・海王星・水星)、双子座の月(ノーアスペクト)/牡牛座の可能性も

交渉上手でバランスや公正さを重んじる、情報収集にも非常に長けている。
(牡牛座の月であれば、当たり前のあるべき姿を維持したい?)

天秤座が「不公平だ!」と叫ぶのは、裁判や軍事行動を正当化するときの視点だ、と占星家のスー・トンプキンス氏は述べています。

太陽を含む天秤座ステリアムと蟹座の天王星がスクエア

蟹座と天秤座のスクエアについては、松村潔先生の解説がとても興味深かったので引用します。

蟹座は同族で共感した家族的なチームを作るとしたら、天秤座は同族ではない他人の交流(を楽しむ)

『完全マスター西洋占星術II』by 松村潔

「蟹座は内部の共感によってつながって増殖し、外部に共感による理解を押し付ける。それに対して天秤座は外部からの視点によりその輪郭を形にして、蟹座の増殖を止める。」(同要約)

これを同時に行うとぶつかるので、「時間をずらす」と「変化」として表れるのだそうです。

・天秤座の土星(形)は、海王星(形を溶かす・幻)と合、天王星(形を壊す・刷新)とスクエアで、その輪郭は革命による理想郷であり、プーチンは、そこに実態とは違う幻想を重ねているのかもしれません。

2020年1月11日の蟹座20度の月食は、土星と冥王星が山羊座の22度で、月とオポジションを形成する重要な【食】で、プーチンの蟹座の天王星を活性化しています。(影響は2024年3月頃まで続くと考えられます。)

2022年2月22日には、火星と金星が山羊座20度で合となり、プーチンの天王星を刺激して何らかのトリガーとなった可能性がありそうです。

余談ですが、、

もしかしたら、現在の状況はプーチンのホロスコープをそのまま表していると言えるかもしれません。

共感でつながる同族意識の拡大と、輪郭を作りそれを止めようとする外部の視点と動き。

本人の中で蟹座に同化し過ぎたときに、「現実の環境」が天秤座側を激しく具現化するのかも。

また、アメリカ合衆国の始原図には、蟹座の太陽と天秤座の土星がスクエアで、プーチンのスクエアに重なっているのが興味深いところです。

ノーアスペクトで双子座(?)の月(情報)、ノーアスペクトで蠍座の金星(強い愛憎、秘密厳守)、オリエンタルの冥王星がノード軸と合(強力な人脈)

これらは、以前KGBの諜報員として活動していたことも納得できます。

プーチンの身内についての情報は殆ど表に出ていないそうで、「裏」を熟知しているからこそ、愛する身内を危険から守るために細心の注意を払っているのでしょう。

・さらに、出生時間が正しければ、獅子座の冥王星・ノードはMCに合(権力・コントロール・大きな組織)、天秤座ステリアムは12ハウスに入ります(隠れた敵、内なる敵、政府)。

国と自分を一体化し、「失う恐れ」を自分のこととして感じるのかもしれません。

また、南東半球への偏りとなり、アイデンティティやルーツを守るために社会の犠牲になる傾向があるかもしれません。

冥王星は木星とスクエア

「富や権力の拡大」を示しますが、冥王星は「核」も示し、獅子座の自尊心を満たすために暴走した場合、歯止めがきかなくなる恐れがあります。

ミッド・ポイント 他

冥王星=火星/海王星
無責任、向こう見ずな態度。目的を利己的に追求する。

天王星=太陽/海王星
はっきりしない理由による神経質な反応。

海王星=水星/土星
抑うつ

(ノエルティルの解説から引用)

プーチン大統領は頑強なイメージがありますが、近年は健康問題の可能性も指摘されているようです。はっきりしない不調が「弱み」につながるのかもしれません。

現在、ソーラーアークの天王星(改革)と海王星(夢・幻想)が牡羊ポイントで際立っていて、来年にはソーラーアークの土星(権威)も牡羊ポイントに達します。

また、2023年の7月前後にはプログレスの新月が出生の火星の上で起こります。なので、現在は新月前の「バルサミックの月」であり、種まき前の断捨離のときです。

「バルサミックの月」の期間は、畑を整地するために、これまでの29年間の成果を整理したり、今後について迷ったりする「混沌」のときでもあります。

若い頃は、人を驚かせるようなパフォーマンスで、射手座火星の「冒険」や「チャレンジ」、「若々しさ」を発揮していたと思われますが(そこには「やらせ」もあったようですが)、今後はどのような形で表現されるのでしょうか。

・また、(出生時間が正しければ)今年の秋にはソーラーアーク冥王星=AC、来年春にはソーラーアークAC=太陽という強力な表示があり、アイデンティティや健康問題に焦点があたる可能性もあります。

プーチンとゼレンスキーの二重円

出生時間がほぼ判明しているゼレンスキー大統領を内円、プーチン大統領を外円にしたシナストリーを見てみました。

ゼレンスキーのMC軸と月に、プーチンのノード軸と冥王星(とMC軸?)が合

ゼレンスキーの土星にプーチンの冥王星が合

ゼレンスキーの水星と冥王星・ノードのスクエアと、プーチンの太陽・土星・海王星・水星と天王星のスクエアで、Tスクエアを形成

とりあえず、目立つのはこんなところでしょうか。

また、月とノード、太陽とノードが合で、深い縁がありそうです。

余談ですが、ノードとライツ(太陽や月)の特にタイトな相性の場合、ノード側がライツ側にアプローチしたくなる(引き寄せられる、お世話したくなる)ような気がするのですが、どうでしょうか??

さらに、お互いの土星に対して冥王星が合、天王星がスクエアで、因縁の相手と言えるかもしれません。

(このようなシナストリーは、私の印象では、お互いに切磋琢磨し合うようなトップアスリートのライバル関係によく見かけます。ある意味、共通点があるのかもしれません。)

特に、ゼレンスキーの冥王星は、プーチンの太陽を含む重要なスクエアに対してタイトに関わっていて、深く強くじわじわと影響を与えそうです。

もし、プーチンの出生時間が正しければ、MC軸を共有し(オポジション)、土星と天王星のトランジットをほぼ同じタイミングで受けることになり、その場合は運命共同体とも言えます。

シナストリーからは、両者が関わり合うことで強烈な化学反応が起きて、大きなイベントが現実化していることが感じられます。

次に、シナストリーを踏まえて、今年~再来年のトランジットを見てみます。

トランジットの影響

2022年~2024年の、土星以遠の天体からのトランジットに注目してみました。

ゼレンスキー大統領

~2022年末・・・tr土星が逆行しながらMC(&月)に接触。

試練、困難、重責、忍耐、何らかの実現。

2022年~2024年春・・・tr天王星が、月、天王星、MCに接触。

個性化への衝動、独立心、移動や転職など大きな転機。

2023年~2024年末・・・tr冥王星が火星にオポジション。

エネルギーが強烈に高まり、争いモードのアピールが目立つかも。事故やケガには要注意。

ここ2~3年は、エネルギーの高まりと大きな変化が予測されます。

プーチン大統領

~2022年3月5日・・・tr天王星が金星にオポジション。愛着、対人関係の激化。

~2022年末・・・(出生データが正しければ)tr土星が逆行しながらICを通過。

試練、困難、重責、忍耐、何らかの実現。ICは家、家族、ルーツを表します。

~2023年初め・・・tr土星が、冥王星とノード軸に接触。

困難なとき、シリアスな縁が生じる可能性。

2023年・・・tr土星が月にスクエア。ストレス、抑うつ感。

2023年~2024年春・・・tr海王星が火星にスクエア。

このトランジットは夢の実現という可能性もありますが、行動力や体力の低下、幻想、間違った方向性などの可能性もあり、国のリーダーとしての力の使い方が難しくなるかもしれません。

2023年7月前後には、出生の火星の上でプログレスの新月が起こることもあり、火星の表現について迷いが生じるのかも。

2023年~2024年春・・・(出生データが正しければ)tr天王星がMCにスクエア。

2023年~2026年・・・上にも書きましたが、ソーラーアークの土星が牡羊ポイントに。

権威、責任、あるいは困難が際立つのかもしれません。土星は3ハウスルーラー(コミュニケーション)、12ハウス(隠れた敵、健康問題)である可能性。

注目したのは、2023年~2024年にかけて、トランジット冥王星がゼレンスキーの火星にオポジション、トランジット海王星がプーチンの火星にスクエアを形成することです。

(2023年3月には冥王星がいったん水瓶座に入り、自由・平等・独立に向けての「破壊と再生」の機運がいっそう高まるでしょう。)

プーチンは2024年春には任期を終えます。(ただし、2020年3月に憲法改正案が通り、本人が望めばさらに12年間続投可能。)

それぞれ、どのような現実として表れるのか、あるいは、それよりもっと前に方が付くのか、それとも、もっと長くかかるのか??

一人ひとりが安心して暮らせる当たり前の日常が、一日も早く戻りますように。

・・・

追記:

『サピエンス全史』の著者であるハラリ氏は、現在は「自由主義と権威主義とのたたかい」と言っています。

占星術でいうと、土星vs天王星、といったところでしょうか。

ただ、権威(制限)があるからこそ、そこからの「自由」を実感できるので、もしかしたら、どちらも必要で「サイクル」による「バランス」が重要なのかもしれません。

栄枯盛衰はこの世の常なので、もし権力に固執し続けるならば、いずれ自滅の道に進むのだろうと思います(個人的感想)。権力とは結局、人間が作り出した幻想なのでしょう。

北京五輪もそうですが、今はルールに関する問題が浮き彫りになっているように思います。

現状を踏まえて、今後はルールを見直し、その内容、適用法、順守することの意味、などについて直接話し合うこと、そして、各国が独自の強みをもって対等に存在することも必要なのでしょう。

私たちも、イメージ作戦や偽りの情報に騙されてはいけないですね。

ところで、

中国の習近平氏はプーチン氏と一歳違いで、やはり土星・海王星(天秤座)と水星・天王星(蟹座)がスクエアです。

2025年~2026年にかけて、トランジットの土星と海王星が牡羊座0度あたりで合を形成しますが、そのときに出生図の配置が「共鳴」するのかもしれません??

・・・

最後までお読みいただきありがとうございます。

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