ホロスコープの月は母親をどのように経験したかを表す

ホロスコープの「月」は、その人の「感情」や「最重要の欲求」を表すとともに、母性的養育者(多くの場合「母親」)をどのように経験したか、その一面を象徴的に表しています。

その経験は日々繰り返されることで無意識の反応パターンとなり、生涯にわたって影響を及ぼします。つまり、母親とのやりとりは、自動反応である感情パターンを形成します。人生の基盤を形作ると言ってもよいでしょう。

私たちは、本能的に母親に対するとてつもない期待や欲求を持って生まれてくるのだと思います。命懸けで愛し、守って欲しいのです。

なので、それが少しでも欠けると、(この世の終わりのような)大きな不安と絶望を感じるのではないでしょうか。

今回はこの「月」に注目し、こどものホロスコープの「月」が示す母親像と実際の母親について、いくつかの例で確認してみたいと思います。

有名人の「月」が示す「母親」の経験

以下、月のサインとハウス、そして月のアスペクトに注目して、その人が母親(または母親的存在)をどのように経験したか、わかる範囲の情報を参考に推測してみました。

例その① ジョン・レノン

  • 11ハウス、水瓶座の月
  • 水星(スクエア)、金星(インコンジャンクト)、火星(トライン)、冥王星(オポジション)

ジョンは二度母親を失ったと言っています。一度目は5歳のときにミミ伯母さん(母の姉)にあずけられたとき、二度目は16歳のとき、母との関係を取り戻そうとした矢先に交通事故で母を失ったとき。

母親のジュリアは音楽の才能があり、意気盛んで直情的、強烈なユーモアセンスの持ち主として知られ、ジョンにバンジョーとウクレレの演奏を手解きしました。

母の死はジョンに心的外傷を残し、「ジュリア」や「マザー」などの曲が書かれたと言われています。

ジョンの月の配置は、母親が音楽の楽しさを教えてくれたこと、母との心理的・物理的な距離感トラウマ的な体験、そして、関係性としてはワンクッション置きますが、厳しくも優しいミミ伯母さんとの関係も示しているかもしれません。

11ハウス水瓶座の月で、母や伯母さんはジョンにとって友人のような存在だったのかも。

さらに、ジョンの妻であるオノヨーコのイメージにもピッタリですね。常識を打ち破る行動によって愛と世界平和を叫ぶ。母を失う経験をしたジョンは、再びヨーコを失う前に、まるで自ら突然消えてしまったように感じました。。

例その② チャールズ皇太子

  • 10ハウス、牡牛座の月
  • 水星(オポジション)、金星・海王星(クインデチレ)、土星・木星(トライン)、天王星(セクスタイル)

有名すぎる例ですが、、、イギリスのチャールズ皇太子の母親はエリザベス女王ですね。

月は10ハウス・牡牛座でノードと合。名実ともにイギリス社会の頂点で国民とともにある、公務で忙しい遠い母、という感じですね。母は「おとぎ話の国の女王」だったのかもしれません。

ジョンもそうですが、月と水星(二人とも蠍座)のハードアスペクトは、母親と心を開いて話すことが難しかったのかも。

月は(ほぼ)シングルトン。幼少期から背負ってきた重荷に耐え抜き、10ハウスの「遥か遠くの月」をつかみ取ることができるでしょうか?牡牛座0度の月は、最後には欲しいものを掴むような気がします。。

例その③ 辻井伸行氏(ピアニスト)

  • 5ハウス、天秤座の月
  • 水星(コンジャンクション)、金星・天王星(クインタイル)

眼に障害があった辻井氏の音楽の才能を、幼いころに母親が気づき、子ども用のピアノを買い与えたりたくさんの音楽を聴かせたりしたそうですね。

天秤座の月と水星が合で、母親が寄り添い、いつも、すぐに、洗練された反応を返してくれたのでしょう。お母さまがよく歌を歌ってくれたそうで、何かの番組で聴いたことがあるのですが、とても明るくてきれいな歌声でした。

月と、金星(獅子座)・天王星がクインタイルで、お母さまが辻井氏の独創的な表現力をいかに「妨害せず」、伸び伸びと育てたかが伝わってきます。

例その④ 神田沙也加さん

ネット上で出生時間を見つけましたので、正確さは不詳ですが、参考までに。母はもちろん松田聖子さんですね。

  • 12ハウス、乙女座の月
  • 木星(クインデチレ)、土星(スクエア)、海王星(トライン)

月が乙女座・12ハウスで、母親像は永遠の少女、永遠のアイドルですね。海王星と魚座の木星がアスペクトしていて、創造性とともに、つかみどころがない感じや寛大さ、緩さが加わります。

12ハウス月で、「隠れている母」あるいは「母を隠す」「母から隠れる」ことを体験し、それが「感情を隠す」ことにつながっているかも??

その一方で、土星がスクエアで野心家、努力家としての母も見ていたのでしょう。細かいことに厳しい面もあったかもしれません。

3ハウスの土星は、母親との比較からくるコンプレックスの可能性であり、努力の方向性だったと思われます。その努力の先に、比較からの解放を体験するのかもしれません。

彼女の透き通るような歌声にはとても魅了されますね。

こどもは「月」を母親に投影する

こうしてみると、こどものホロスコープの「月」は、確かに母親の「ある一面」を表していますね。

こどもが、幼少期に自分の「月」を母親(的存在)を通して体験するということは、つまり、こどもは「月」を母親に投影するということでしょう。

そうであれば、母親の方も、こどもからの投影を通して何らかの体験をするのだと思われます。

自分のチャートで検証

そのことについて、自分のホロスコープで検証してみました。よろしければ参考までにお読みください。

家族の「月」のサインとハウス

家族それぞれの「月のサインとハウス」を、一つにまとめてみました。(それぞれのハウスの位置に、それぞれのサインの月を配置しているので、サイン順には並んでいません。)

自分以外は、全員、月が不動宮です。ちなみに、金星も自分以外全員が不動宮、私だけ柔軟宮です。

私自身のチャートは東半球の強調で、月が2ハウスです。

こどもたちのチャートでは、月は7~9ハウスに入っていることから、幼少期に「7、8、9ハウス的な」母親を経験したと言えるのかも。

実感としては、子育ての中で「7~9ハウス的な」役割や活動を与えられた、とか、否応なしに引っ張り出された、という感じが大いにあります。詳しくは書けませんがこれは本当にその通りで、なるほどな~と思いました。

東半球強調の自分にとって、家族がそれぞれの「月」を投影してくれたお陰で、とくに「7~9ハウス」の領域を「鍛えられた?」(今も続行中)と言えるかもしれません。

*月は幼少期は「母」を示し、大人になると「妻」(または「妻としての自分」)を表します。「月」を見ると「妻」をどのように経験しているか、あるいは「妻」の人物像の一面が、おおよそわかると思われます。

2ハウス、山羊座の月について

私のチャートでは山羊座の月が2ハウスにあります。

私自身の母に対するイメージは「厳しい父(夫)に抑圧され、その枠の中で真面目に生きた苦労の人生」。(母自身が自分は苦労の星のもとに生まれた、とよく言っていました。)

母は不幸だった、というイメージは簡単には拭い去ることはできないのですが、でも、それは真実ではなく私のイメージに過ぎない、ということを今は理解しているつもりです。

「月」は感情も表しますが、私の場合、母のイメージが自分の感情に根付いていて、感情の抑揚に欠けていると思うことがよくあります。

でも、それは、私がそのように母を経験してきた証であり、そこに母が生きているのかもしれません

2ハウス・山羊座の月の、一つの経験と言えるのでしょう。

家族の「月」が自分のチャートのどのハウスにあるか?

参考までに、家族の月が自分のチャートのどのハウスに入るかをあらためて見てみました。いわゆるシナストリーの二重円でみたときのものです。

こちらは、該当するハウスについてサポートされている(している)ように思います。

つまり、先に書いた、

【こどものチャートの月のハウス】の領域については「どう演じるか」「どう関わるかで、

【自分のチャートでこどもの月が入るハウス】の領域は「どう感じるか」

のような気がしますがどうでしょうか??

まとめ

お子さんやパートナーの月のサインやハウス、アスペクトをチェックして、ご自分のどの部分が「鍛えられて?」いるのかチェックしてみると興味深いと思います。

あるいは、自分の月を見ると、自分が母親をどのように経験したかがあらためて見えてくるかもしれません。これは、無意識の自分の反応を客観視するよい助けになると思います。

ホロスコープは360度すべてを「やる」必要があり、手薄?の部分は周りの人に補ってもらうようになっているのだな~とあらためて思います。

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