誰しも、苦しいときや悩んでいるときに同じ曲を繰り返し聴いた経験はあると思います。
私もそのような曲はいくつかあるのですが、その一つが、ベートーベンのピアノソナタ「悲愴」です。特に第二楽章にどっぷりはまっていました。
(この部分はビリー・ジョエルが「This Night」の中に取り入れていますね。)
注:クラッシックに詳しいわけではありません。
なぜベートーベンだったのか?
この曲に限らずベートーベンの曲は(私にとって)苦悩の向こう側から流れてくる一筋の美しいメロディーであり、それは静かでありながら力強く優しいのです。
そして、歓喜へと突き抜けていく高揚感もあり、聴き終わったあとに「はい、わかりました!」と、何だかとても納得させられてスッキリするのです(笑)。
ベートーベンの魅力
で、先日『ららら・クラッシク』という番組を観ていたら、とても興味深いお話がありました。
それは、ベートーベンの弦楽四重奏「ラズモフスキー」の中で4つのパートが「テーマ」を色々な表情で奏でる様を、
『議論』
という言葉で喩えていたことです。
その音の重なりは、まるで「民主主義により、一人ひとりが対等に意見を述べて、みんなが主役となって議論が深まっていくようす」のようだ、というお話でした。
ある演奏者は、ベートーベンの魅力について「ベートーベンの巨大な脳みそのなかを探検していく至福感」と表現していました。
ああ、なるほどな~と思いました。
ベートーベンのチャートを見てみます。
(ノエル・ティル先生のレクティフィケーション版)
目につく特徴を挙げてみます。(音楽性についての参考:Wikipedia)
・南と東半球への偏りで、自己防衛と社会の犠牲になる傾向。
・射手座(意見の主張)の3天体(太陽、月、水星)をオポジションの双子座(コミュニケーション)の火星がさらにアグレッシブにしています。
・理想主義もあり、気の済むまで意見の主張をし合うような突き抜け感があります。
・射手座の月の「意見を尊重されたい」欲求は音楽を通して創造的に(スクエア海王星)表現され、「堅固な構成と劇的な展開による古典的音楽形式」(トライン獅子座土星)の中で開花しました。
・「ロマン主義(海王星-月)と古典派の様式美(土星-月、山羊座金星)をきわめて高い次元で両立させて」います。
・今までの形式を打ち破る革新性(天王星スクエア土星)。
・太陽と月を含まない土のグランドトライン(天王星、海王星、冥王星)と山羊座の金星(ペレグリン)は、射手座の外交的でオープンな本質とは裏腹に、人付き合いに関して不器用で人に助けを求めることが苦手であった可能性を示しています。
聴覚が不自由であったことは、土のグランドトライン(機能的な閉回路)と共鳴しているかもしれません。
個人的には、私の山羊座の月と乙女座の天王星・冥王星が、このグランドトラインに重なります。落ち込んだ気持ちが、抜群の安定感のグランドトラインに取り込まれて?安心を得られたのだな~と納得です。
ベートーベンの説得力
弦楽四重奏は、交響曲などの大作を作ったあと晩年、自分に向き合ってじっくりと作った曲なのだそうです。そこには、ベートーベンの内省的な思考のやりとりがはっきりと刻まれているのでしょう。
つまり、ベートーベンは音楽を通して最大限に「主張」していたのですね。
それは言葉ではないけれども、時空を越えて現代の私たちにも訴えかけます。何らかのメッセージを伝えてくれているのです。
だから、曲を何度も聴いてその一音一音に集中して何かを受け取ろうとしていたのだな~、と思います。
そして説得される、という。(笑)
「説得力」とは人の心を動かす力
以前、合唱の指導の先生が、人の心を動かすには、歌に「説得力」が必要だと言っていてなるほど~と思いました。
「説得力」とは「人の心を動かす力」であり、それにはいろいろな方法があって、私たちは五感を使ってそれらを感じとっているのでしょう。
現在、木星はホームサインである射手座にあり、社会全体が「主張」ムードにありますが、言葉以外にも自分だけの得意な方法を見つけてみると良いですね。
例えば、自分が大好きで誰よりも詳しいものについて「伝えてみる」と、それは必ず誰かのハートに響くのだと思います。
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