パラリンピックのアスリートたち〜限界を超えて〜冥王星と太陽

3月9日にピョンチャン・パラリンピックが開幕しました。

NHK「超人アスリートたちの流儀」という番組で、今季初めて正式競技となったスノーボードの2人の選手の“生き方”を取り上げていました。

その2人とは、山本篤選手小栗大地選手。彼らの逆転の発想と逆境に挑み続けるメンタルの強さに感銘を受けたので、エピソードにチャートをそえて記したいと思います。

(出生データはウィキペディアより。出生時間は不明。エピソードはNHK「クローズアップ現代+」より引用)

山本篤 選手

冥王星 オポジション 太陽(牡羊座28度)

夏季パラリンピックの走り幅跳びなどで3つのメダルを獲得している義足アスリート。冬季オリンピック(スノーボード)への挑戦でさらに高みを目指します。17歳のとき、交通事故で左足を切断。

「陸上に関しては世界のトップで戦える自負はあるけど、どちらかというとアドレナリンが出にくくなっている。そういう意味で新しい刺激を入れることができたのが、スノーボードだった。」

「リスクはあるけれども、やる価値が自分の中ではあると判断した。僕の人生の生き方なので。」

そして、山本選手が強くこだわっているのが、「義足を見せて滑る」こと。

カッコよさ”を意識し始めた結果、多くの人から注目を集めることで、パフォーマンスも記録も向上しました。

2020年の東京五輪を盛り上げるイベントでは、渋谷の街中に設けられたピットで跳躍を披露。普段は競技場に来ることのない若い世代から大きな声援を受け、“かっこよすぎる”と大反響を呼んだそうです。

画像はNHKよりお借りしました。

“カッコいい” は自分を変える 世界を変える

「“おー”って思ってもらえるような滑りやジャンプをやれたらいい。普通を超えていかないといけない。」

義足はハンディではなく、超カッコいい!のですね。

ミッド・ポイント

・火星(天秤座)=金星(魚座)/冥王星(天秤座)

人々を魅了することで自らもモチベーションをあげる。

・水星=木星=金星/海王星

独自の美学や哲学。(理想主義)

まさに、パラリンピアンのイメージである『開拓者』であり、冥王星とオポジションの牡羊座の太陽を見事に表現されているな~と思います。
ご参考「パラリンピックのアスリート②山本篤選手のポジティブ思考

小栗大地 選手

冥王星 スクエア 太陽(山羊座28度)

大学生の頃本格的にスノーボードを始め、25歳でプロになりましたが、プロの世界は容易ではなく、30歳のとき金属加工の会社に就職。その後、スノーボードへの意欲も低下していったそうです。

そんな中、仕事中の事故で右足を失います。

驚くべきことに、事故直後、運ばれる救急車の中で発想を転換し始めます

「義足でスノーボードをやればいいかな。もしかしたら義足を履いたら今までよりも早く滑れるのでは・・・」

その時、小栗選手の脳裏には片足のスキーヤー・三澤拓さんが急な斜面を力強く滑り降りる姿が浮かび、「プロ・スノーボーダーにもう一回挑戦したい」という気持ちになっていました。

入院中は、スノーボーダーになるイメージを膨らませてポジティブな気持ちを維持し、事故から2か月後には三澤さんに「パラリンピックに出るにはどうしたらいい?」とたずね、4か月後には義足を履いてゲレンデへ向かったそうです!

事故とは災難であり、受け身になるのが普通だと思うのですが、小栗選手の場合は、停滞した現状を打破するために、事故さえも“再起のチャンス”として能動的に活用されています

しかも、その決断の早さに驚かされます。

画像はNHKよりお借りしました。

ミッド・ポイント

・AP=太陽/天王星

独立心や革新的な精神が人々に認知される。

・金星=木星=太陽(山羊座)/海王星(射手座)

大きな夢や理想を着実に実現する。(理想主義)

逆転の発想で試練をチャンスに変えて行動する『戦略家』としてのイメージは、冥王星とスクエアの山羊座の太陽の表現にピッタリかもしれません。

太陽の度数は、山本選手と同じ活動宮28度。現在トランジットの天王星からのハードアスペクトを受けています。

PTSDとPTG

番組の中で、「PTSD=心的外傷後ストレス」のあとの、「PTG=心的外傷後成長」についてのお話がありました。「G」は「Growth=成長」。

怪我などの逆境のあとにも我々は成長するという意識があり、それは、パラアスリートが学ばせてくれるのだ、ということでした。まさにその通りですね。

とても興味深かったので、注目されているその他数人の選手のチャートをあげてみます。

森井大輝 選手

冥王星 スクエア 太陽・水星(蟹座)

アルペンスキー競技(チェアスキー)のパラリンピック・メダリスト。

4歳からスキーを始め、高校2年生のときに交通事故で脊髄を損傷。絶望していた時に、パラリンピックで金メダルを獲得した選手が、“奥歯が見えるくらい”大きな口を開けて笑っている姿に感銘を受け、競技を始められたそうです。「(その選手は)ぼくのヒーローです!」と語る笑顔が印象的でした。

・ペレグリンの火星がAP(牡羊ポイント)にあり、スポーツ選手として人々に知られる可能性。

・水星=土星/天王星

旧い考え方から新たな考え方に切り替えていく勇気と決断力。

自分の競技の結果にかかわらず、他の選手のサポートやアドバイスをされる様子は、冥王星とスクエアの蟹座の太陽が表す『親』のような存在なのだなと思います。

鈴木猛史 選手

冥王星 オポジション 太陽・木星(牡牛座) スクエア 火星

男子座位大回転、男子座位滑降のパラリンピック・メダリスト。

小学校2年生の3月13日、交通事故により両太腿を切断、「学校でスキー教室があるのですが、この子に出来るものは?」という母の思いがきっかけとなって、9歳でチェアスキーを始めます。小学校では障害者として扱われないことで、心身ともに鍛えられたそうです。

・天王星がAP(牡羊ポイント)にある。

革新的な言動で有名になる可能性。

・AP=太陽/火星=火星/冥王星=火星/木星

全て不動宮の天体によるミッドポイントで、粘り強い不屈の努力で周りから注目される。小学校時代は周りのこどもたちに大きな影響を与えたことが想像できます。

・冥王星=太陽/木星

大きな幸運と成功。

冥王星とオポジションの牡牛座の太陽は、スケールが大きくて強固な建造物を作る『建築家』のようなイメージでしょうか。

狩野亮 選手

天王星・火星 スクエア 太陽(魚座)

男子座位スーパー大回転、男子座位滑降のパラリンピック・メダリスト。

小学校3年生の時、交通事故で下半身を失います。その後も様々なスポーツを続け、アーチェリーの先生の勧めでスキーに出会ったそうです。

・太陽=火星(射手座)/天王星(射手座)

何かことを起こす。素早い行動。特に射手座の火星・天王星はスピードの黄金の組合せかもしれません。

・AP=水星(魚座)=天王星/海王星=火星/海王星=太陽/金星

無意識の働きや幻想的で豊かなイマジネーションによって人々に知られる可能性(理想主義)。人気。

天王星・火星とスクエアの魚座の太陽は、自分がイメージする理想の滑りを常にグレードアップさせる『先見の明を持つ人』を強く表しているように思います。

村岡桃佳 選手

ビョンチャンで既に3つのメダルを獲得していた村岡選手が、ついに!アルペンスキー女子大回転(座位)で悲願の金メダルを獲得されたので、追記します。

冥王星 スクエア 太陽・水星・金星(魚座)

4歳のころに横断性脊髄炎を発症し下半身マヒとなり、以降、車いすでの生活をされているそうです。中学生の時に、森井大輝選手に憧れて競技スキーの世界に入りました。冬季オリンピックでの日本人金メダル最年少記録(21歳)だそうです!

・金星=木星/ノード

親しみやすさや面倒見の良さ。人気。

・土星(牡羊座)=天王星/冥王星

強いプレッシャーの中で意志を貫いて努力を重ね、トップを勝ち取る。

・水星=土星/天王星

旧い考え方から新たな考え方に切り替えていく勇気と決断力。

興味深いことに、憧れの森井選手と同じミッドポイント式。そして、APの火星(とノード軸)は森井選手のAP火星とコンジャンクションです。やはり、大きな影響を受ける人物とは共鳴する部分があるのですね。

「金メダルをとりたい」と宣言して見事獲得したのは、冥王星とスクエアである魚座の太陽の『夢想家』としての無意識層のパワーを感じさせます。

限界を超えて〜冥王星が教えてくれること〜

以上、任意に選んだ選手の方々ですが、遠い天体と太陽、特に、冥王星と太陽のハードアスペクトの多さに驚かされます。。

一口に障害といっても状況は様々であり、競技をする上でのトレーニングや必要な技術は、独自に開拓して行く必要があるのだろうと思います。

冥王星と太陽の組合せは、“逆境を活かして道なき道を歩み、己の限界に挑み続ける”ことで、『火の鳥』のように生まれ変わる一つの可能性を示しているように思います。

そして、その姿は、我々に驚きと感動と勇気を与えてくれるのですね。

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