3月5日は啓蟄、冬ごもりしていた虫たちが春の暖かさを感じて、地中からはい出し始めるときと言われています。暖かくなって少しほっとしますが、今度は花粉症が気になります。「ちょうどよい」「快適な」一日は希少ですね。。
2025年3月20日の春分図、そして2月28日~3月29日までの星模様です。

春分図
新月の前に、今年の春分図(2025年3月20日午後6時1分、東京)を見てみます。

春分図とは、太陽が牡羊座に入った瞬間のチャートで、来年の春分までの一年間を示していると言われています。
牡羊座~魚座(12サイン)の一つのサイクルを終えて、次の新たなサイクルがスタートする「始まり」であり「生まれ変わり」のとき。
夜の時間と昼の時間がほぼ等しくなる「切り換えポイント」でもあります。
(その後、夜と昼の長さが反転します。方向性の転換点とも言えますね。)
例えるなら、春分は「新月」であり、春分図は「種まき」を示しているとも言えるでしょう。
今年の春分図からは、どのような「始まりの種」が見えてくるでしょうか。
春分図のポイント
主なポイントをあげてみました。
- ディセンダントで太陽・海王星・ノード・土星・金星・水星が合
- 太陽、月、冥王星が火と風の小三角
- 土星、火星、天王星が土と水の小三角
- 火星とキロンがスクエア
① ディセンダントで太陽・海王星・ノード・土星・金星・水星が合
一昨年頃の春分図より、四季図において太陽と海王星がハードアスペクトを形成し、海王星が象徴することが社会において強調されています。
今年と来年の春分図では、太陽と海王星がタイトに合を形成するため、
海王星が示す、
「夢、理想、創造性、曖昧さ、幻想、境界線の喪失、犠牲と救済、詐欺、嘘、お酒、薬物、海、水」
に関するものごとがピークを迎えると考えられます。
特に、海王星は「サインの吐き出し度数」である29度にありサインの総決算、さらに言うと、魚座なので12サインの大総決算と言えます。
海王星が魚座での、そして12サインでの全ての仕事を終えて、そこから離れていくのです。
(海王星の公転周期は約165年で、前回魚座から牡羊座に入ったのは1861年~1862年です!)
魚座30度(数え)のサビアンは「巨大な石の顔」。海王星は、仕事の総まとめとして何か象徴的な形・証を残していくのでしょう。要観察ですね。
さらに、今年と来年の春分図では、そこに土星が加わります。
土星は、「権威、制限、現実、伝統、ルール、組織、構造、土」などを示し、上記の海王星の意味と混ざり合います。
なので、権威や構造が崩れる、制限やルールが揺らぐ、嘘と事実が入り混じる、嘘で固める、あるいは、夢の実現、創造的で利他的な活動の開始、などのできごとが増えるでしょう。
簡単に言うと、土(土星)と水(海王星)が、全てを受け入れてきた魚座の中で出会ったときに何が起こるかです。
泥水や濁流となるのか、砂の城が波に崩されるのか、堤防と川となって大海へと導かれるのか、あるいは雨降って地固まるのか。
おそらく、その泥水の中には、過去(牡羊座から水瓶座まで)に放置され、捨てられたものが全て含まれています。
あるいは、混ざり合って練られて美しい土器となるのか、、これは「夢や理想の実現」であり「浄化」「昇華」と言えるかもしれません。
さらにさらに、今年の春分図では、そこにノースノードが重なります。
ノードはエネルギーの出入口であり、日食や月食のパワーの源であり、人やものごとの縁の結び目でもあります。
特にノース・ノードは、新しいエネルギーの流入であり、過去とは違う方向性への挑戦です。
なので、この一年間は、未知のできごとが人々を渦の中に巻き込むことが考えられます。
牡羊座と魚座の天体群がディセンダントに
東京チャートでは、太陽を中心とした魚座と牡羊座の天体群が、ディセンダント周りに集中しています。
対外関係、パートナーシップの強調です。
牡羊座の水星と金星は、外交において、新しいアイデアや積極的な友好関係を提供する、または提供される、
そして、魚座の海王星とノースノードは、他者に対して、犠牲的な援助や思いやりを沢山の人々やグループが与える、または与えられるのかも。
その援助は、芸術や文学、スポーツなどで表現されたり、誰かが体現する「夢」を自分の夢に重ねるのかもしれません。
土と水が混在する中で、人々は「利他の心」を表現し、その表現は人から人へ広がっていくのでしょう。
★また、魚座の土星は6ハウスにあり、労働環境や公衆衛生に関するルール作りがとても重要になりそう。
過去の負の遺産を引き受けて、整理して、取捨選択します。
それは、人々の健康面での環境を改善することにつながるでしょう。
② 太陽、月、冥王星が火と風の小三角
牡羊座の太陽・金星・水星、射手座の月、水瓶座の冥王星が、火と風サインの小三角アスペクトを形成。
火と風サインは共に「陽」であり、内に秘められた潜在的なものが活動し、外に表現されて発展・分化していきます。
真の公平さを求め(水瓶座)、遠くの目標に向かって(射手座)、リーダーシップをとり最初の一歩を踏み出す(牡羊座)ことで、外交関係が活発になりそう。
さらに、9ハウス双子座の木星がその動きを遠方(海外)に拡大していきます。
③ 火星、土星、天王星が土と水の小三角
火と風の小三角に対して、蟹座の火星、魚座の土星、牡牛座の天王星が、土と水の小三角アスペクトを形成。
土と水サインは共に「陰」であり、陽で分化したエネルギーを統一し、結合し、蓄積・熟成していきます。つまり、内側に向かいます。
物質的な平等性を目指す(牡牛座天王星)ことにより、こどもたちを守り(蟹座火星)、弱者に寄り添う制度(魚座土星)を実現する。
あるいは、
自然の異変(牡牛座天王星)により、安全を守るために団結し(蟹座火星)、精神的な成長をとげる(魚座土星)のかもしれません。
魚座のノースノードが示す「犠牲や慈悲の心」がその方向性に共鳴しています。
★②と③を合わせると、外に向かって活動を広げることがメインテーマではあるけれど、同時に内部を充実させることがとても重要になるのでしょう。(当たり前ですが、、)
④ 火星とキロンがスクエア
蟹座火星と牡羊座キロンがスクエアを形成。
キロンは理解を超えた痛みと癒しを示し、「傷ついたヒーラー」と呼ばれています。
そのキロンと蟹座火星がスクエアで、何らかの傷を守るために、傷を癒すために、あるいは傷つけないために闘うのかもしれません。
傷を抱えながら防衛のために対決せざるを得ない感じでしょうか。
火星は10ハウスにあり、政府や社会におけるリーダーの戦い方が示されています。
★キロンは、土星の内側から天王星の外側にかけて楕円を描いて運行し、土星と天王星(外惑星)の橋渡し役と言われています。
なので、キロンは天王星(外惑星)によって壊された土星(基盤・常識)の傷を癒し、修復するための体験を示しているのかもしれません。
➄ 春分図のミッドポイント
次のミッドポイントに注目してみました。
AP=太陽=海王星=天王星/冥王星
- 独立と自由への衝動
- 革命
- 他者への共感
パワフルなミッドポイントにある海王星に、春分図の基準である太陽が合。春分図で強調されているミッドポイントの一つと言えます。
火星(=キロン)=土星/天王星
- 反乱の中で起こりうる大変動
- 争いにつながる挑戦
土星と天王星の橋渡し役であるキロンが、その2天体のミッドポイントにあり火星とスクエア。傷を乗り越えるための反乱や挑戦なのかも。
春分図のまとめ
2月4日の立春が「春の始まり」とすると、春分は「春の盛り」と言えます。
過去のもの・感情を整理し、着々と準備をしてきましたが、いよいよスタートです。
今年の春分図には、
- 嘘と現実の混濁による秩序の崩壊と再構築
- 外交の活発化と社会制度など内部の安定と充実
- 傷を抱えながらの戦い、社会的な変革の兆し
- 犠牲と共感の中から生まれる新たな価値観
などが示されています。
この一年間は、「夢や理想の実現か、混乱か」という感じでしょうか。どんな状況でも柔軟に、しなやかに、忍耐強く、希望を持ち続けることが大切なのでしょう。
次に、少し時間を戻して、新月について見てみます。
魚座の新月
2025年2月28日午前9時45分、魚座10度(数え)での新月です。(東京で作成)

全体的な傾向
水瓶座が真実を追求しようとするのに対し、魚座は言葉はなくとも理解し、全てを受け入れます
魚座(柔軟宮、水のサイン)が象徴するのは・・・
全体性、普遍性、境界がない、全てを含む、全てを受け入れる、一体性、溶ける、カルマの返済、犠牲、救済、慈悲深さ、感受性、無私、意志やエゴの曖昧さ、影響を受けやすい、とらえどころのなさ、変幻自在、怠惰、逃避、幻滅、自己憐憫、映像、ダンス、詩、酒、薬物、麻酔、足、リンパ腺、など
新月からのメッセージ
魚座は最後のサインであり、12サインの総まとめを示しています。一年間がんばってきたこと、関わった全ての人間関係、その中で感じてきたこと、自分や周りの人の成長など、空間・時間、有形・無形を問わず、全ての体験を魚座の海で溶かします。喜びや悲しみ、達成感、怒りや後悔などもあるでしょう。
特に今回は、魚座海王星での最後の魚座新月で(次は約150年後)、魚座の大総決算と言えます。魚座が示す夢や理想と同時にその実現の前に立ちはだかる困難や混乱も強調されています。なので、混乱の中で夢を忘れてしまうかもしれません。恐れや不安を招くような様々なできごとは、過去の繰り返しから離れて未知の新しい世界へと切り替えるための「試練」なのかもしれません。
満月にもふれてみます。今回の乙女座満月は月食で、9月には乙女座新月(日食)があります。どちらも乙女座のサウスノードが関わり、過去に蓄積されたものごとや習慣に引き戻される傾向があるかもしれません。過去からの解放・手放しのためにも、今回の魚座新月での種まきはとても重要です。未来に向けた目標や希望を強く刻印してみましょう。細部ではなく全体を見る、受け入れる、包括することが大切になりそう。
3月後半~4月前半は、土星が活発な【食】度数を通過するため要注目です。土星先生が痛い所をついてきたり、これまでの努力をテストしたりするかもしれません。それは、ものごとを成就させるための「愛の指導?」として前向きに対処すると、何かしら成長できたり達成感が得られるでしょう。とても重要な時期だと言えます。
★心の底にある夢や幸せはなんですか?
★3月20日「春分」の日に、太陽は内に向かう魚座(水サイン)から、上に向かう牡羊座(火サイン)に移ります。主要なテーマは、「感受性・無私の心・犠牲と救済」から「純粋さ、勇気、一番であること」へと変わっていくでしょう。
新月チャートおよびこの期間の主なポイント
次のポイントに注目してみました。
- 新月を含む6天体とノースノードが魚座11ハウスに
- 天王星がアセンダント、冥王星がMCに合
- 天体の逆行/順行/留
- 天体の食度数通過
- 新月のサビアンは「雲の上の飛行家」
① 新月を含む6天体とノースノードが魚座11ハウスに
太陽、月、土星、水星、ノースノード、海王星が魚座にあって11ハウスに入っています。
現在、土星と海王星が魚座の最終度数へと進んでいますが、そのタイミングでの魚座新月です。
まさに「魚座まつり」と言えるでしょう。
魚座が示す「感受性、受容性、創造性、無私の奉仕、曖昧さ、境界線の溶解、スピリチュアリティ」などがクローズアップされると共に、
土星と海王星が、その「魚座の象徴」に与える影響が浮き彫りになりそう。
春分図の項でも書いていますが、土星は秩序、海王星は混沌を示していて、今後それらが会合するとどのような現象となるのか、ヒントが得られるかもしれません。
さらに、ノースノードが海王星に合を形成し、海王星はノードを通して新しいエネルギーを受け取りこの世にもたらすと考えられます。
海王星は未知の世界への挑戦へと人々を導くのでしょう。
★また、11ハウスに天体が集中しています。
日本においては、マンデン占星術の11ハウスが示す議会、立法、国際的な友好関係、あるいは、未来社会への希望、同じ志を持つグループ活動などにおいて、新しい動きがあるのかもしれません。
魚座は12サインの最後の星座であり、この時期は、新たな始まりの前の「総まとめ」と言えるでしょう。
それは、あらゆるものが大海の中に溶け込み混ざり合うような感じでしょうか。そこから全く新しい生命が誕生します。
新月に木星がスクエア
魚座新月に対して、双子座木星がスクエアを形成。
大海の中のあらゆるものから、興味の赴くままに情報をピックアップして拡散していくのかもしれません。
あるいは、混沌を示す情報がそのまま拡散されるのかも。
その木星に対して牡羊座の金星がセクスタイル。
この期間は新しい話題についておしゃべりするのが楽しくて、ゴシップが蔓延する可能性があります。
なので、根拠のない、あやふやな情報について興味本位で話すことは特に要注意でしょう。
② アセンダントに天王星、MCに冥王星が合
軸に遠い天体がのっていて、日本において少し不穏な傾向があるかもしれません。
天王星は予期せぬ変化、革新、反抗、独立、そして冥王星は破壊と再生、価値観の変化、暴露、などを示しています。
ただし、牡牛座天王星は土星や火星とセクスタイル(ソフトアスペクト)で、人々にとって、何らかの建設的な変化があるのかもしれません。
また、MCの水瓶座冥王星は、11ハウス(水瓶座のナチュラルハウス)の天体群と共鳴し、
未来のより良い社会を目指した(11ハウス)、現状への断固とした抗議・反抗を示しているのかもしれません。
③ 天体の逆行/順行
・3月2日~4月13日、金星が逆行(牡羊座10度→魚座24度)
・3月15日~4月7日、水星が逆行(牡羊座9度→魚座26度)
天体自体が順行/逆行するわけではなく「見かけ上」の動きではありますが、人間の判断や行動、世の中の状況に少なからず影響を与えると考えられます。
特に、以下の、順行/逆行に転じる「留」の期間(天体が止まって見える)は、その度数が強調されることもあり要注目です。
- 金星の留…3月2日前後(牡羊座10度)、4月13日前後(魚座24度)
- 水星の留…3月15日前後(牡羊座9度前後)、4月7日前後(魚座26度)
★少し注目なのは、金星と水星が留となる度数で以下の食が起こった(これから起こる)ことです。
・2024年9月18日の部分月食(魚座25度)
・2024年10月3日の金環日食(天秤座10度)
そして、
・2025年3月14日の皆既月食(乙女座23度)
・2025年3月29日の部分日食(牡羊座9度)
つまり、「牡羊/天秤座9~10度」「乙女/魚座23~26度」の度数域は、【食】→水星と金星の留→【食】で活性化されます。
水星、金星とも動きの速い天体ではありますが、逆行・順行両方の留と食度数が重なることは興味深いです。
この度数あたりに天体や軸のある方は、コミュニケーション(水星)や愛情や楽しみ(金星)について重要なできごとがあるかもしれません。
④ 天体の食度数通過
この期間は、水星、金星、土星、天王星、キロンが食度数に接近します。
・水星と金星は上記③を参照。
・土星は、この期間を通して、食度数「乙女座23度」and/or「魚座25度」に合/オポジションを形成。
土星は、努力に対する試練、構造の弱点を改善するためのテスト、ものごとの成熟などを示します。土星が食度数を越えることにより、ものごとの終結がもたらされる可能性。
・天王星は、この期間を通して、食度数「蠍座25度」にオポジションを形成。
天王星は、突然の、思いもよらぬ予想外のものをもたらす可能性。
・キロンは、この期間を通して、食度数「牡羊座19度」に合を形成。
キロンは、理解を超えた痛みとそれを乗り越えるための癒しをもたらす可能性?
➄ ミッド・ポイント
次のミッド・ポイントに注目してみました。
天王星=火星/海王星
- エネルギッシュに夢を追う
- 非現実的な目標を目指す
アセンダント上の天王星に関わるミッドポイントです。実現できそうにない夢を抱きがちですが、この新月では叶いそうな感じもあります。
⑥ 新月のサビアン
魚座10度(数え)のサビアンは…「雲の上の飛行家」
雲の上を飛ぶ飛行家は、地上の雑事に邪魔されることなく、心が求めるままに飛び続けます。スピード感、輝く太陽あるいは満天の星々の中で飛行家の集中力は極限まで高まります。
集中度があるポイントを越えると、ふと別世界に切り替わり、時間の感覚も消えて、飛行家はどこからかメッセージを受け取ることを予感するかもしれません。それは一瞬の閃きであり波動なのか?おそらく飛行家はそのメッセージを求めて飛び続けるのです。
次の度数である魚座11度(数え)のサビアンは「光を探している男達」。飛行家は、自分が探し求めていたものが光なのだと直感するのかもしれません。
・・・
では、次に満月を見てみましょう。

乙女座の満月(皆既月食)
3月14日午後3時55分、乙女座24度(数え)での満月(皆既月食)です。

満月について
新月は「種まき」、満月は「収穫」と言われています。
新月で、月は太陽からエネルギーを受け取り、満月に向けてそれを形にし、実現させていきます。そして、満月から次の新月にかけて、月のエネルギーは空っぽになっていきます。
また、呼吸のサイクルで言うと、新月の瞬間から息を吸い込み始め、満ちた頂点である満月の瞬間に呼気に切り替えて新月に向けて吐き出しきる、とも喩えられます。
新月は「始まり」、満月は「完成と解放」。そのようなイメージで一か月を過ごしてみると、新月~満月の変化と「切り替えポイント」を体感できるでしょう。
部分月食
今回の満月は、ノードから約4度離れた位置で起こる「皆既月食」です。
皆既月食とは、月が地球の本影の中にすっぽり入り、月全体が暗くなる現象です。
アストロ・アーツのサイトによると、
”月が欠け始める部分食の開始は14時10分、月が地球の影に完全に入ってしまう皆既食は15時26分から16時31分まで、部分食が終わるのは17時48分。日本では北海道などで、欠けた月が昇る月出帯食が見える可能性はあるものの、月の出から部分食終了まで10分程度しかなく月が非常に低いため、観察は非常に難しい。”
とのことで、日本ではほぼ観測は不可能、ハワイや南北アメリカでは観測できるらしいですね。
Celeste Teal氏の説に基づいて計算すると、この食の影響は2031年4月頃まで長期間続きます。
月食チャートのポイント
今回の月食では、乙女座が示す「奉仕、社会貢献、選別と排他、実用性、詳細な分析、管理、(有用な)情報、仕事能力」あるいは、「生産者、収穫、天然資源、公衆衛生」などがテーマになりそう。
また、乙女座は「柔軟宮の地サイン」。状況を細かく正確に分析・整理し、臨機応変に効率的に対応する柔軟性があります。
ただし、細部の正しさに集中するあまり、寛容さを失い、批判・排他的になりがちな点には要注意でしょう。
乙女座での月食は、これらに関する「変化の兆し」である重要なできごとが起こったり、あるいは、「生々しい感情の深みを体験するような」他者との絆が深まることが考えられます。
月食チャートについて、次のポイントに注目してみました。
- サウスノードでの乙女座の月食
- 月食に土星・海王星がオポジション
- 天王星がMCに合、火星と共に満月を調停
- 水星と金星が合
- 月食のサビアンは「メリーと彼女の白い羊」
① サウスノードでの乙女座の月食
月食は集大成・完成を示し、サウスノードは土星に例えられ古いエネルギーの放出を示しています。
なので、サウスノードでの月食は、集大成のために、古い感情的な習慣やパターンを手放し、依存していた人や当たり前と思っていたものを手放すプロセスと考えられます。
それは、潜在意識レベルで作動するため、とても憂鬱な気分になるかもしれません。
この月食では、乙女座(価値判断や自己管理など)に関わる古い習慣を思い切って解放するタイミングと言えるでしょう。
また、「おとめ座」は、ギリシア神話では農業の女神デーメーテールの「星座」として、花や草木の成長、穀物や果実の種撒きや収穫をつかさどっていたそうです。
なので、農業や収穫、あるいは、大地の資源などについて、古いパターンを手放す必要があるのかもしれません。
さらに、乙女座のルーラーである水星は牡羊座にあり、思考、判断、学び、コミュニケーションなどに関して、「リーダーシップ」「行動力」「先見性」が重要になります。
★出生図の天体や軸の上で食が起こる場合は、ターニングポイントのきっかけになる可能性があります。今後約3~4年間は、食度数を天体が通過(合/オポ)するたびに、ふたたび状況が活性化しやすいでしょう。
② 月食に土星・海王星がオポジション
月食に土星と海王星がオポジションを形成。
乙女座が示すものごとに、制限や実現(土星)、理想化や曖昧さ(海王星)などが加わります。
正しさを点検される、細かい点を追究される、焦点のズレた指導、「あめとムチ」、厳しい制限をクリアして理想を実現する、などの傾向が考えられます。
特に、土星は太陽にタイトに合で、土星がこの月食の新しい「主」となり、乙女座ルーラーの水星よりも強い影響力を持ちます。
なので、土星が示す「年長者、権力者、制限、障害、規則、具体化、成熟」などの意味がかなり強調されるでしょう。
そもそも、トランジット土星による食度数の通過(合/オポジション)はとても重要と言われています。
例えば、ものごとを結晶化させる、縮小させる、奪う、構造の弱点を改善するために点検する、あるいは、苦労の末に報酬をもたらすなど、世の中の「偏り」を直して終結をもたらします。
今回の食では、その土星が「主」となっているので、何かを早急に完了させるための食と言えるかも。
★人間であれば、何かが過多になったり欠乏したりすると、体や心の「理由なき不調」として現れがちですが、その偏りに気付いて整えるチャンスかもしれません。
★現在、地域によって、豪雪と山火事という極端な状況が続いていますが、もしかしたら「水分=海王星・魚座」の偏りと言えるかもしれません。土星がそれを収めてくれることを願います。
土星の食度数通過
土星は、
・3月20日~28日に「魚座23度」
・4月5日~4月14日、および、10月28日~12月29日に「魚座25度」
を運行し、食度数に合/オポを形成します。その頃は、偏ったものごとを点検しバランスをとるような、一見荒療治なできごとがあるかもしれません。
また、9月22日の「乙女座29度の日食」は、土星と海王星がピッタリとオポジションを形成し、ふたたび土星(と海王星)が食の「主」となります。
なので、今回の月食(乙女座23度)、9月の日食(乙女座29度)、そして、土星が完全に牡羊座に入り海王星と合を形成する2026年2月頃までは、不安定な状況が続くのかもしれません。
③ 天王星がMCに合、火星と共に満月を調停
新月チャートでは天王星はアセンダントに合でしたが、月食チャートではMCに合で、さらに、満月を調停しています。
満月は、地球をはさんで太陽と月が引っ張り合うことで緊張をもたらしますが、MC上の天王星がそれを緩和しています。
天王星は変化、改革、ときには破壊を示していますが、今回の場合は、その変化が乙女座満月で取り組むべき課題をサポートするのでしょう。
天王星は、テクノロジー、発明、AI、独立、人道主義的活動なども示し、社会の中で世直し的な動きが見られるのかも。
また、蟹座の火星も満月を調整する位置にあって、保護的な活動を示していますが、キロンとのスクエアが少し気になるところです。
蟹座火星の防衛的な本能を、牡羊座キロンが攻撃性へとスイッチを切り換えさせる可能性があり要注意。
④ 水星と金星が合
水星は乙女座月食のルーラーで、月食にも重要な影響があると思われます。
水星と金星は動きの速い天体であり、通常はそれほど深刻な影響は無さそうですが、この月食では、興味深い動きをしています。
牡羊座の水星と金星はほぼ一緒に逆行し、魚座の海王星と土星、そして食度数に触れながら順行に転じていきます。
そして、月食チャートでは唯一の火のサインで、コミュニケーションに活力や直観力を与えています。
興味深いのは、3月末、逆行中の水星と金星は、牡羊座に入る直前の「魚座29度」の海王星と合を形成して、海王星が牡羊座に入ったあと「牡羊座0度~1度」で再び合を形成することです。
水星はメッセンジャーとして、金星は良好な人間関係として、重要な働きをして日食の主である土星や海王星のサポートをすると考えられます。
➄ ミッド・ポイント
次のミッドポイントに注目してみました。
AP=水星/土星
- ハードワークによる分析
- 落ち込みを通して得る成熟や知恵
水星は乙女座(月食)のルーラー、土星は月食の新しい「主」です。AP(牡羊ポイント)で、これらの傾向が世の中で際立つ可能性。
海王星=水星/土星=AP
- 憂鬱
- 希望の光を求める悲しい精神
上記一つ目のミッドポイントに海王星が位置しています。魚座29度の海王星は苦しみの中の一筋の希望なのかもしれません。
⑥ 満月のサビアン
乙女座24度(数え)のサビアンは…「メリーと彼女の白い羊」
白い羊は、メリーさんの純粋無垢な心を表しているのでしょう。彼女は羊をしつけたり、何かを強要したり、依存したりすることはありません。以心伝心でお互いを理解し尊重しています。
相手が望んでいることを察して、当たり前のように手を差しのべます。人間と動物の違いは関係なく、そこには素朴な信頼関係があるのです。
次の度数である乙女座25度(数え)のサビアンは「半旗として掲げられた旗」。自分の分をわきまえて表明します。できることとできないことの境界線をしっかりとひいて、場合によっては潔く辞すのでしょう。
・・・
新月と満月(月食)は魚座-乙女座のオポジションで起こります。
魚座新月では、個人を超えたあらゆるものとの一体感がテーマになります。内側に向かって融合する水のサインであり、見えない印象を受け取り、自他の境界線が曖昧になって、他人の喜びや悲しみを自分のことのように感じるかもしれません。ときには、割り切って感情を切り離すことも必要でしょう。
それに対して、乙女座満月(月食)では、魚座で集めた有象無象の情報をフィルターにかけて、分析・整理しデータとして活用します。それは大きな目標の中で切り分けられた一つのミッションであり、実際の有益な成果として現れるでしょう。
魚座から乙女座への流れは、例えば、遠くから森全体を眺めて雰囲気を感じるのが魚座とすると、一本の木の枝の一羽の鳥に焦点を合わせて、その羽根の細かい模様までスケッチするのが乙女座という感じでしょうか。全体を見て何だかぼんやりするなと思ったら、一点をピックアップして具体的に調べてみるとよいかも。土星先生の厳しいチェックが入りそうです。
★生活の中で偏っていることは何ですか?
・・・
全体の動き ~まとめ~
魚座新月(2月28日)~牡羊座新月(部分日食、3月29日)までの全体の動きをまとめてみました。
月が緊張のアスペクトを形成するときを赤字で、サポート的なアスペクトを形成するときを青字で記入しています。また、その他緊張感のある期間には赤線を引いてあります。
月が出来事や感情の引き金となることについて検証してみてはいかがでしょうか。
・・・
★土星はこの期間を通して食度数(乙女座23度、魚座25度)に合/オポジションで、厳しい試練があるでしょう。
★天王星はこの期間を通して食度数(蠍座25度)にオポジションで、突然の変化などの緊張感があるでしょう。
★キロンはこの期間を通して食度数(牡羊座19度)に合を形成し、痛みと癒しに関わるできごとがあるかもしれません。
2月28日、魚座10度(数え)での新月・・・種まき
・3月1日、魚座の月-水星・ノースノード・海王星(合)
(3月2日前後、金星が食度数【天秤座10度】のオポジションで留)
・3月2日、牡羊座の月・金星-キロン(スクエア)
★3月2日、金星が逆行へ(牡羊座10度→魚座24度)
・3月3日、水星-海王星(合)
・3月3日、太陽-木星(スクエア)
★3月3日、水星が魚座から牡羊座へ
・3月5日、牡牛座の月-天王星(合)
・3月6日、双子座の月・木星-太陽(スクエア)
3月7日、上弦の月(双子座16度、数え)・・・発展
・3月7日、双子座の月-土星(スクエア)
・3月9日、蟹座の月・火星-太陽(トライン)
・3月10日、獅子座の月-冥王星(オポジション)
・3月12日、獅子座の月-天王星(スクエア)
・3月12日、太陽-土星(合)
3月14日、満月(皆既月食、乙女座24度、数え)・・・収穫
(3月15日前後、水星が食度数【天秤座10度】のオポジションで留)
★3月15日、水星が逆行へ(牡羊座9度→魚座26度)
・3月16日、天秤座の月-キロン-火星(Tスクエア)
・3月17日、蠍座の月・リリス-冥王星(スクエア)
・3月17日、太陽-ノースノード(合)
・3月19日、蠍座の月-火星-土星-天王星(カイト)
・3月20日、太陽-海王星(合)
3月20日、春分(太陽が牡羊座へ)
・3月20日、射手座の月-冥王星-水星・金星(小三角)
・3月21日、射手座の月-木星(オポジション)
・3月22日、射手座の月-土星・ノースノード・海王星(スクエア)
3月22日、下弦の月(山羊座3度、数え)・・・成熟・衰退
・3月23日、太陽-金星(合)
・3月24日、山羊座の月-火星(オポジション)
・3月24日、山羊座の月-土星-天王星(小三角)
・3月25日、水瓶座の月-冥王星(合)
・3月25日、太陽-水星(合)
★3月27日、逆行中の金星が魚座に戻る
・3月27日、金星-海王星(魚座29度で合)
・3月28日~29日、魚座の月-土星・ノースノード・金星・海王星(スクエア)
3月29日、牡羊座10度(数え)での新月(部分日食)・・・種まき
★3月30日、逆行中の水星が牡羊座から魚座に戻る
・3月30日、水星-海王星(魚座29度で合)
★3月30日、海王星が魚座から牡羊座へ
・・・・・
参考記事:
立春から春分の過ごし方~鎮静の月~
2025年の星模様(1月~12月)
後記:
最近、ふたたびブログの記事を読んで下さっている方々とお話しする機会があり、マニアックな長文なのに大変ありがたいなと思いました。毎回、サクッと軽やかな記事を書きたいと思いつつ結局長文になり、「ながっっ」と自分で自分に突っ込んでいます。蠍座太陽の「しつこさ?」が年を重ねるごとに大きくなっているのかも?(太陽蠍座全員がしつこいとは限りませんが。。)間もなく、トランジット天王星が蠍座太陽にオポジションとなりますが、しつこさを手放すのか、または、さらに激化するのか、、期待したいと思います(^^;)
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