前回のブログ(日食・月食について その①~ノードのパワーとトランジットの影響~)では、Celeste Teal氏著『Eclipses』のPart Iに書かれている、日食・月食とその後のトランジットについてまとめました。
今回はその応用編として、2020年前後のできごと(コロナ禍など)と日食・月食・トランジットの関係をチェックしてみました。
データが細かくてわかりにくいかもしれませんが(^^;)ざっくりと見ていただければと思います。
日食・月食と トランジットの土星
重要な【食】(日食・月食)のポイントはいくつかありますが、その一つとして、その後トランジットの土星が【食】の度数に0度/180度を形成すること、があげられます。
【食】は半年ごとにノード軸近くの新月/満月のときに起こるので、ノード軸と土星がコンジャンクションを形成する時期は、その後約4年間は土星が【食】度数と関わる可能性があります。
ノードと土星の合(オポ)の時期は要チェックですね。
*ドラゴンヘッド=ノースノード、ドラゴンテイル=サウスノードで、両極をあわせてノード軸と呼びます。
2019年~2021年のノードと土星・木星・冥王星
2019年は、冥王星、土星、木星がサウスノードと次々にコンジャンクションを形成しました。
ホロスコープ上で言うと、下の図のようにサウスノードが逆行して(時計回りに)進み、冥王星・土星・木星など山羊座の天体群とコンジャンクションを形成しました。
- 2019年3月/冥王星 合 サウスノード/山羊座22度
- 2019年5月~9月/土星 合 サウスノード/山羊座20度~13度
- 2020年1月/木星 合 サウスノード/山羊座7度
その後、木星・土星・冥王星は順行・逆行しながら【食】の度数を通過して活性化していきました。
Teal氏によると、土星は【食】の度数を越えることで「終わり」をもたらし、また【食】が示すできごとの成熟した発展、変化の象徴であり、「カルマ」にも関わると言っています。
土星は約6年毎にノースノード→サウスノードと交互にコンジャンクションを形成します。なので、ものごとはまるで呼吸するかのように6年毎に切り替わるのかもしれません。
ノースノードで息を吸い、サウスノードで吐き出すのだとすれば、(土星のはたらきに関して言えば)今は溜めこみ過ぎたものを吐き出しているのでしょうか?
ちなみに、2019年5月~9月は、土星がノード軸に寄り添うように逆行していて、古くからのしきたりが見直されて大きく変わっていく様を示しているようです。
5月には現天皇が即位されて『令和』がスタートしていますが、土星とノードが合になった【山羊座21度(数え)】のサビアンは【リレー競争】で、まさにバトンをつないだ様子を表していますね。
ノードと天体の動きをグラフで概観してみると
次のグラフは、木星以遠の天体およびノードのトランジット図に、【食の発生~終わりの期間】を矢印→で書き込んだものです。(土星と接触する【食】に絞りました。)
*【食】の有効期間は、実際の【食】の1時間を1年として計算しました。
*グラフの度数はハーモニック2の表示になっています。例えば、【0°】→牡羊座または天秤座の0度、 【30°】→牡牛座または蠍座の0度、【60°】→双子座または射手座の0度、など。
上の図を見ると、土星は2019年から、冥王星については2018年から【食】に関わっているのがわかります。冥王星については「ゼロからの全面的なリノベーションの必要性」「リニューアル」を示している、とTeal氏は言っています。
また、2020年は【食】度数へのトランジットが集中しています。豊かさや幸運を示す木星が加わって「ものごとを拡大していく」様子が示されていますが、拡大するものによって良くも悪くもなります。
さらに、2021年もまだ【食】度数への木星・土星・冥王星のトランジットは続いています。
ものごとを終わらせる「土星」に注目すると、2022年2月に【食】度数に最終ヒットしているので、この頃には状況が落ち着くのでしょうか??
日食・月食リスト
上の図にあげた日食・月食については以下の通り。重要と思われる食に*印をつけました。
獅子座28度/2017年8月22日/皆既日食
獅子座11度/2018年1月31日/皆既月食*
水瓶座27度/2018年2月16日/部分日食
蟹座20度/2018年7月13日/部分日食*
水瓶座4度/2018年7月28日/皆既月食*
獅子座18度/2018年8月11日/部分日食
山羊座15度/2019年1月6日/部分日食
獅子座0度/2019年1月21日/皆既月食*
蟹座10度/2019年7月3日/皆既日食
山羊座24度/2019年7月17日/部分月食*
山羊座4度/2019年12月26日/金環日食
蟹座20度/2020年1月11日/半影月食*
蟹座0度/2020年6月21日/金環日食*(ノースノード側)
蟹座0度での金環日食について
上記最後の蟹座0度の金環日食については、トランジット土星との接触はないのですが、牡羊ポイントで起きていること、そしてノードと1度のオーブであることから、非常に重要な【食】と言えます。蟹座サインで「ステイホーム」「家」の強調です。
Teal氏の説に従うと、今後2年半~3年間は蟹座(山羊座)0度が活性化していることになります。
その影響もあったのか、2021年4月24日に火星が蟹座0度に入ったときに、東京などに3度目の「緊急事態宣言」が発出されました。(火星の影響については後述)
各サインとルーラー
上記の日食・月食が起こったときのサインについてキーワードをあげてみました。それぞれのサインはできごとを象徴的に表しています。
蟹座(月)・・・母性、育てること、家庭、祖国、公共の場、女性に関わるもの、人気のテーマ、液体、変わりやすい世間の感情
獅子座(太陽)・・・意志や創造力、王族、リーダー、政府のトップ、生命力、プライド、自己中心的、権力者など中心となる人物
蟹座・獅子座はノースノード側にあたり、新しい刺激が何かを「獲得」するように促します。入ってくるエネルギーの奔流が混乱を招くような驚きを与えるかもしれません。
山羊座(土星)・・・産業、ビジネス、組織、公共の建物、国家的災害、年長者、公務員、制限、ルール、時間の経過によって形成される変化
水瓶座(天王星)・・・発明、技術、宇宙、革命、労働組合、暴動、予期せぬ衝撃、知識とサービスを全人類に提供するという人道主義
山羊・水瓶座はサウスノード側にあたり、何かを提供するような「恩返し」の時期。無私の奉仕や思いやりの実践に関係しています。
現在は、蟹・獅子座が示す「個人の感情や生命力」をサポートするような環境づくりのために、山羊・水瓶座が示す「社会」は今まで獲得してきた成果をサービスとして提供するとき、と言えるのかもしれません。
また、Teal氏の著書には、獅子座の【食】は政府のトップなど指導者に影響を与え、死や転覆をもたらす恐れがある、と書かれています。2019年~2020年は国のトップの入れ替わりが多かったですね。
火星のトランジット
Teal氏によると、「火星」は約2年で12サインを一周しながらダイナミックにものごとを活性化します。そこで、2018年~2022年の「火星」の動きを追ってみました。
次のグラフは、活性化された【食】度数に、各天体が(0度/180度)を形成した時期を色丸で示しています。わかりにくいですが、丸の分布に注目していただければと思います。
火星のトランジットは赤丸で示し、その期間を記入しました。
火星のトランジットとでできごと
火星のトランジットを見ると、2019年6月~7月には、何か最初の動きがありそうです。
日本では5月に『令和』がスタートしました。つまり『令和』は土星とノードの合からスタートしたのですね。波乱含みのスタートだったと言えるかもしれません。
2020年3月~4月は四色の丸が密集しています。3月にはWHOによる『パンデミック宣言』が出て世界中がその衝撃を受けることになりました。
2021年5月頃は、今までコロナが抑えられていたアジア圏の国々で、感染者が急増しました。
こうしてみてみると、火星の【食】度数へのトランジットはものごとを鋭く際立たせる感じがしますね。
次回の火星トランジットは2022年1~3月ですが、2月には【食】度数に対して「土星」の最後のトランジットがあると思われるので、このあたりでものごとが『完了』するのかもしれません??
ここまでのまとめ
2020年は、土星と冥王星や土星と木星のコンジャンクションなど、社会的に重要な天体配置がありましたが、さらにそれらが【食】という『エネルギーの流出入』に関わり、世の中の大きな変化となった様子が浮かび上がってきました。
やはり日食・月食は、個人も含めた世の中の動きに深く関わっていそうですね。
・・・
次のブログ(日食・月食について その③~重要なチャートと東京オリンピックの延期~)では、上記の【食】の中で、いくつかのチャートをピックアップしてみました。おまけとして、東京オリンピックが延期になったことと【食】の関係を探ってみました。よろしければお読みください。
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