新型コロナウイルス感染症の症状として、味覚と嗅覚の異常があげられています。シュタイナーは、「味覚」を魚座、「嗅覚」を水瓶座と関連付けていますが、もしかしたら、コロナの流行は水瓶座・魚座的な「社会の枠をはずして作り直す準備」という象徴的なできごとなのかもしれない、とふと思いました。
現在、魚座にはルーラーの海王星が、水瓶座には副ルーラー(古典ではルーラー)の土星があって、目立っています。
今回の新型コロナウイルスの経緯と天体配置について
そこで、最近の天体配置とコロナの経緯について振り返ってみました。(山羊座29度にも注目!)
・2019年11月、中国武漢で発生したのが初めて確認される(その後、インフルエンザに混ざって10月には感染が始まっていた可能性が判明)
・12月31日、武漢市「27例の肺炎」公表
・2020年1月11日、ホームズ教授が「ウイルスの遺伝情報」公開
・1月12日、中国がWHOに遺伝情報公開
1月13日、冥王星 合 土星(山羊座22度)
・1月14日、WHO「新型コロナ」確認
・1月23日、武漢都市封鎖
・1月30日、WHO「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」宣言
(この頃には、すでに人の移動によって感染は世界に広まっていました。冥王星・合・土星のタイミングで、新型コロナが公に確認されています。)
・3月11日、WHOパンデミックとの認識を示す(土星が山羊座29度へ!)
3月22日、土星がいったん水瓶座に入る
・4月2日、感染者100万人を超える
4月5日、冥王星 合 木星①(山羊座24度)
・6月28日、感染者1,000万人を超える
6月30日、冥王星 合 木星②(山羊座24度)
(冥王星・合・木星のタイミングで感染者が激増)
7月2日、土星が山羊座へ逆戻り
・11月10日、米製薬大手ファイザーが共同開発したワクチンが、臨床試験(治験)で高い有効性を示したことが発表された。
11月13日、冥王星 合 木星③(山羊座22度)
12月17日、土星が水瓶座に完全に入る
12月22日、木星 合 土星(水瓶座0度)
2021年2月18日、天王星 スク 土星①(不動宮7度)
・4月下旬、日本などアジアの国々で感染者が再び増加
6月15日、天王星 スク 土星②(不動宮13度)
12月24日、天王星 スク 土星③(不動宮11度)
2022年4月、海王星 合 木星(魚座23度)
注目のトランジットは
①土星と冥王星の合(山羊座)
②土星が山羊座から水瓶座へサイン移動
③土星と木星の合(水瓶座0度)
④天王星スクエア土星(~海王星 合 木星)
という流れです。
①まず、『外宇宙との扉』と言われている冥王星により、世の中に『異物』が持ち込まれ(冥王星・合・土星)、それは主に人の動きによって世界に拡散していきました(水瓶座は【風】のサイン)。
②どのサインもその最終度数は「サインを吐き出す」ことを意味しますが、今回の山羊座29度の土星では、これまで作り上げてきた社会のシステムが世界規模で一気に機能停止となりました。ちょうどパンデミック宣言がなされたころです。
③そして【水瓶座0度での土星と木星の合】は「水瓶座バンザイ宣言」です。土星は社会のルール、木星は倫理観やムードを表し、世の中は水瓶座テイストに塗り替えられます。
テクノロジーの活用、オンラインでのネットワーク作り、地方の活性化、平均化から個性の尊重へ。困難が新しいアイデアを生み出します。こんなやり方があったのか!という感じ。
④そして2021年は【牡牛座の天王星】と【水瓶座の土星】が3回接触します。人々の当たり前の生活を守るために(牡牛座)、テクノロジーを駆使して(水瓶座)、現状を段階的に刷新していきます。
牡牛座と水瓶座のスクエアなので、リアルとバーチャルどちらにも対応できる体制を作っておくと良いでしょう。バーチャルを経験して、あらためてリアルの大切さを実感するのでは。
様々な「差別」問題についても、今までの固定概念を変えていこうとする動きが活発になりそうです。
新型コロナウイルスは、私たちの生活をまさに一変させつつあります。コロナの症状が嗅覚(水瓶座)と味覚(魚座)に表れることを考えると、コロナの流行には【魚座の海王星】も深く関わっているのだろうと思います。
コロナは私たちに何を伝えようとしているのでしょうか・・
スペイン風邪の流行
参考までに、1920年前後に「スペイン風邪(インフルエンザ)」が流行したときの天体配置を調べてみました。
1917年8月、海王星 合 土星(獅子座4度)
・1918年3月~ 第一波(春の先触れ)
・1918年8月~ 第二波(前流行)
1918年8月、冥王星 合 木星(蟹座6度)
1918年10月、天王星 オポ 土星①(水瓶・獅子24度)
(1918年11月、スペイン風邪による死者ピーク、第一次世界大戦の休戦協定)
・1919年1月~1920年12月 第三波(後流行)
1919年1月、天王星 オポ 土星②(水瓶・獅子26度)
1919年4月~1920年1月、天王星が魚座⇔水瓶座
1919年8月~1920年6月、天王星 オポ 土星③~➄(魚・乙女 0~5度)
1919年9月~1920年4月、海王星 合 木星①~③(獅子座8~10度)
*(欧米では1919年の夏までに収束、日本は1920年1~2月に第3波に襲われる)
トランジットの考察~サイン移動と天王星オポ土星~
スペイン風邪のときのトランジットで興味深いのは、
①天王星の、自分のホームサインである水瓶座から魚座へのサイン移動と
②天王星と土星のオポジション(計5回)です。
①天王星のサイン移動
今回の新型コロナの天体配置と似ていますね。 新型コロナ: 土星が、ルーラーである山羊座から水瓶座への順行と逆行 スペイン風邪: 天王星が、ルーラーである水瓶座から魚座への順行と逆行 土星も天王星も、【社会】を表す天体です。
ちなみに、スペイン風邪のピーク時は第一次世界大戦と重なり、いくつかの帝国が消滅し国境線が引き直され、9つの独立国家が建国・復活しています。
(スペイン風邪は兵士の移動によって感染が広まったと言われています。)
水瓶座は社会を表すサインであり、戦争による「国家の独立・消滅」は【水瓶座最終度数】の吐き出しと言えるのでは。
今は、世界規模の戦争こそ起こっていませんが、コロナによって政治・経済・医療・流通・交通・イベントなど、あらゆる分野でお互いの関係性や境界線の見直しが必要とされています。
ウイルスも戦争も、国家の枠組みや国境に危機感が生まれる点は共通していますね。
ある専門家は、「特にパンデミックの初期においては国と国の間に障壁を設けることは不幸である。国境を越えて科学情報を共有すること、国家の枠にしばられない連携が最も重要である」と言っています。
これは、まさに水瓶座的発想ですね。境界線というのは地球上での永遠のテーマなのでしょう。
②天王星と土星のオポジション(5回)ほか
この組合せは、2021年にも3回形成されます。感染拡大による社会改革を表すのでしょう。
また、冥王星と木星の合は2020年にも3回形成されています。感染が飛躍的に拡大する様子を表しているようです。
獅子座の海王星と木星の合は、用意された派手な舞台でスペイン風邪が際限なく拡大しその後緩和していった様子が伺えます。2021年にも、魚座に海王星と木星が滞在し、2022年4月に合を形成します。新型コロナは2022年4月までには終息すると考えられるかもしれません。
新型コロナとスペイン風邪のトランジットには、共通する組合せがとても多いことがわかりますね。
その他のパンデミック
その他、社会や民族の構造を根本的に作り変えたと言われているパンデミックのトランジットをあげてみます。
ペスト(黒死病)1347年~1351年
モンゴルの風土病がヨーロッパへ拡大。ヨーロッパだけで全人口の4分の1から3分の1にあたる2500万人が死亡したと言われる。その後も主な都市で500回以上の流行を繰り返した。
1348年~1349年、天王星が牡羊座から牡牛座へ
1350年、冥王星 合 土星
1352年、天王星 合 土星
1352年~1353年、海王星 スクエア 土星(3回)
やはり、遠い天体のサイン移動と、他の伝染病と同様の天体の組合せがあります。
当時は病気の原因がわからず混乱が起こり、不安から教会の神にすがったり、現実逃避で遊興に走ったりして「三密」と「不要不急の移動」がまん延し、さらに病気が広まったようです。
人々の心はむしばまれ家族は崩壊し、また、ペストを広めたという理由でユダヤ人をスケープゴートにして虐殺もしたそうです。
その中でヨーロッパ社会は変化していきます。科学が進歩し、情報が集められて治療方法が確立されていき、1720年を最後にヨーロッパのパンデミックは収まりました。
日本のペスト
日本には1890年代にペストが上陸し、北里柴三郎が研究と治療に尽力して、1926年を最後にペスト患者はいなくなりました。
ペスト対策において障害になったのは、人々の「変わること」「変えられること」への抵抗だったそうです。
人々の意識やライフスタイルを変えるには、ペストに関して理解してもらえるように、わかりやすく根気強く訴えていく啓蒙活動が大変重要でした。
それを成し遂げたときにペストは治まったそうです。
天然痘 1520年
ヨーロッパ人の南北アメリカへの移動により拡大。死者数5600万人。
1520年~1521年、海王星が水瓶座から魚座へ
1520年~1521年、土星が山羊座から水瓶座へ
1522年~1523年、天王星 スクエア 土星(5回)
やはり、同様の組合せがありますね。
天王星と土星のハードアスペクトについて
パンデミックのあとに、天王星と土星のハードアスペクトが頻出することは興味深いです。この組合せは新旧の交代ですね。
そこから考えられるのは、棚ぼた式の受け身でパンデミックに「変えてもらう」のではなく、パンデミックをきっかけにして、自分の生活や社会を能動的に動かしていくことが重要だということなのかもしれません。
過去のトランジットを調べると、今の参考になることがたくさんありますね。
伝染病と人間
「コロナは戦争だ」という言葉をたまに聞きますが、国境を越えて侵入されるという意味でもその通りだなと思います。
戦争と違うのは、闘う相手であるコロナは目に見えないことです。なので、共通の「見えない」敵に対して一緒に闘う、つまり、人類全体が一つのチームとして協力し合えるチャンスなのだと考えると、今は貴重な時代かもしれません。
ある学者が、「どんな感染症が出るかは私たちの社会に関わっていて、おそらく私たちの社会の弱さをつくような形で現れる。感染症は人間が自然の一部である限り決してなくならないと考えます。」と言っていました。
「社会の弱さをつく」とは、遠い天体から土星へのハードアスペクトが象徴していますね。とくに、天王星と土星のアスペクト(旧くなった形を壊す)が連想されます。
そう考えると、今私たちの社会はコロナに鍛えられているのかもしれませんね。
長文をお読みいただきまことにありがとうございました。。。
参考:NHK『なぞの感染拡大』
NHK歴史秘話ヒストリア『ペスト 最悪のパンデミック』
【関連記事】
2025~2026年 冥王星・海王星・土星のサイン移動③と海王星合土星
【メモ】
第一次世界大戦の期間は、1914年7月28日~1918年11月11日とされていますが、開戦当時の天体配置は・・・
土星が双子座と蟹座で順行/逆行
海王星が蟹座と獅子座で順行/逆行
冥王星が5月に蟹座に入ったところ
そして、冥王星と土星が合(1914年10月、11月、1915年5月(蟹座0度))
土星・海王星・冥王星が次々にサイン移動しているときでした。そして、冥王星と土星の蟹座でのコンジャンクションで、蟹座は「母国」を表し、母国、故郷の基盤が壊れる、ということでしょうか。
また、大戦終わりの時期が、スペイン風邪のピークの時期に重なっているのも興味深いです。
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