以前、シャドートランジットについて書きましたが、今回は、それに類似した興味深いトランジットについて書いてみます。(参考:トランジットとシャドー・トランジット)

個人や国などの時期表示をみるとき、基本的には、「出生図」や「スタート図」に対するソーラーアークやトランジット、セカンダリープログレスなどをチェックすると思います。
それは、出生図以外に範囲を広げると煩雑になるから、と教わったように記憶しています。
たしかに、情報量が多くなり過ぎてまとめるのが大変になりそうです。
また、例えば出生図へのトランジットに比べて、ソーラーアーク図へのそれは実感しにくいのかもしれません。
ですが、影響が全くないと証明されたわけではなく、検証してみる価値はあるのでしょう。
今回は、ソーラーアーク図へのトランジットがとても目立つケースについて書いてみます。
習近平 主席
2025年6月7日現在の、習近平氏の出生図とソーラーアーク図の二重円です。外側に木星以遠の天体のトランジットを記しています。
習主席の火星に対して、トランジットの土星と海王星がスクエア、木星が合を形成中。

習主席は出生図に土星と海王星のコンジャンクションがあります。
このような場合、土星と海王星の会合サイクルに影響を受けると個人的には考えています。
トランジットの土星と海王星は、来年2月にかけて牡羊座の頭で合を形成するので、習主席の人生も少なからず共鳴すると思われます。
共鳴とは、出生図が持つ「土星合海王星」の要素が刺激されて、その意味が表出するということ。
習主席の場合は、さらに、出生の火星が蟹座0度にあり、トランジットの土星・海王星がスクエアを形成しています。
なので、土星・海王星の影響は、とくに国家を守るための闘い(蟹座火星)に集中することが考えられます。
制限や迷い、混乱などが生じるような困難に直面し、何かしらの解体と構築を余儀なくされるのかもしれません。
ソーラーアークに注目すると・・・
興味深いことに、出生の火星に対して、トランジットの土星・海王星がスクエアを形成しつつ、ソーラーアークの土星・海王星がオポジションを形成し、ダブルで緊張の配置になっています。
つまり、トランジットの土星・海王星はソーラーアークの土星・海王星とスクエアを形成。
超稀有な配置ですね~

それも、牡羊ポイントで起こっているので、その影響は広く人々が知ることになるのでしょう。
とくに今後1~2年間は要注目ですね。
その他の配置を見てみると・・・
ソーラーアーク太陽は2年前に乙女座に移動、ソーラーアーク冥王星も蠍座に移動、そして、ソーラーアーク土星と海王星も相次いで山羊座に移動。
人生の局面が大きく変化する超重要なタイミングと考えられます。
特に、権威を表す土星が山羊座0度(牡羊ポイント)に到達し、権威の頂点を示しています。(ただし、喪失や困惑を表す海王星を伴っているので、どのような表現になるのか?)
そして、ソーラーアーク天王星は4年後に天秤座に移動します。牡羊ポイントでもあり、政治家(天秤座)として大きな変革のときを迎えるのでしょうか・・
プーチン大統領
次に、習主席と一歳ちがいのプーチン大統領の二重円(出生図とソーラーアーク図)を見てみます。

やはり習主席とよく似た配置になっています。
ソーラーアークの土星が山羊座0度に到達し、トランジット土星・海王星がスクエアを形成。
ソーラーアーク天王星もそこに加わります。
こちらも「権威」と「損失・困惑」、そして「変革」が強調されています。
振り返ると、ロシアがウクライナに侵攻したのは、2022年2月24日。
その時、ソーラーアーク土星は射手座27度で、出生の火星に合。(野心による攻撃)
そして、ソーラーアーク海王星は山羊座0度にありました。(夢やビジョンの実現?)
(この表示は、現在の習主席の表示に似ています。。)
ソーラーアーク太陽は、約3年後に山羊座に移動し、人生の目的が地に足のついた現実的なものに変化していくのかもしれません。。
習主席とプーチン大統領、お2人はこれからますます注目を浴びるのでしょうか。
土星と海王星の会合周期
トランジットとソーラーアークのアスペクト形成が興味深かったので、参考までに、1952年以降の土星合海王星の時期と度数を見てみました。←どのようなからくりになっているのか?趣味的な内容です(^^;)
- 1952年11月~1953年7月・・・天秤座21~22度
- 1989年3月~11月・・・山羊座10~11度
- 2026年2月・・・牡羊座0度
土星と海王星の会合周期は約36年、合を形成する度数は約80度ずつ進んでいますね。
習主席とプーチン大統領は現在72才なので、ソーラーアークの土星・海王星は出生時より約70~72度進み、トランジットの会合度数は約160度(天秤座21度→牡羊座0度)進んでいます。
なので、現在のソーラーアーク土星・海王星とトランジット土星・海王星は、ほぼスクエアになることがわかります。(160-70=90度)
ですが、、今回のケースのように明確に、しかも牡羊座と山羊座の0度で形成されるのは、ものすごく稀有なのではと思います。
これがどのような現象としてあらわれるのか、それともあらわれないのか、要注目ですね。
まとめ
トランジットの土星と海王星による牡羊座0度でのコンジャンクションは、時代の大きな潮目の変化を示していると言えます。
そのトランジットと、個人に内臓された時期表示(ソーラーアーク)がピタリとリンクするお2人のケースは、かなり興味深いと思いました。
やはり、時代の変化に深く関わる人物なのでしょう。
もっと言うと、この頃に生まれた人々は出生図に同様の配置がある可能性が高く、それぞれの分野において、時代の潮流によって人生が大きく変わり、それが世の中に知られるのかもしれません。
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参考記事:トランジットとシャドー・トランジット
後記:先日、長嶋茂雄元監督が逝去されました。チャートを拝見すると、魚座11度の土星と乙女座15度の海王星がオポジションで、土星・海王星の組合せをお持ちでした。海王星は魚座0度の太陽と魚座28度の火星とクインデチレ。まさに、大衆の夢を背負っで努力を積み重ねたスポーツ界のスターという感じですね。現役当時、ドジャース入団の可能性もあり、ご本人は挑戦したかったとのこと。現在、ドジャースで大活躍中の大谷選手の土星は魚座12度、長嶋元監督の土星と重なります。大谷選手は長嶋元監督の夢を引き継いだと言えるかもしれません。ちなみに、ご長男の長嶋一茂氏の土星も魚座14度にあります。親子で夢を共有されていたのかなと想像しました。。
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