先日、『英雄たちの選択』という番組で、茶聖千利休を取り上げていたのですが、その生き様に「今」と共通する雰囲気を感じました。
ウィキペディアによると、千利休は1522年生まれ(月日は不明)とのこと。
(今年は生誕500年なのですね。)
そこで、1522年と現在の天体配置を比較しつつ、利休の生き方に今を生きるためのヒントを探ってみました。よろしければお読みください!
1522年と現在の天体配置の比較
1522年の天体配置は・・・
木星 … 山羊座~水瓶座
土星 … 水瓶座
天王星 … 牡牛座
海王星 … 魚座
冥王星 … 山羊座
現在と似ていますね。
ちなみに2020~2022年現在は・・・
木星 … 山羊座~水瓶座~魚座~牡羊座
土星 … 山羊座~水瓶座
天王星 … 牡牛座
海王星 … 魚座
冥王星 … 山羊座
となっています。
余談ですが、1522年はマゼラン隊が世界一周に成功した年でもあります。2020~2021年にコロナが世界中に広まったのとある意味似ているかも・・・
土星と天王星のスクエア
2021年には牡牛座の天王星と水瓶座の土星が3回スクエアを形成しましたが、1522年にも同じ組み合わせのスクエアが3回形成されています。
(さらに双子座の天王星と魚座の土星で2回、あわせて5回スクエアを形成しました。)
土星と天王星は約44~45年ごとに合を形成します。
土星の周期は約29年なので、44年で約1.5サイクル
天王星の周期は約84年なので、44年で約0.5サイクル
つまり、次の合は、前回とオポジションの位置で約44年後に起こります。
そして、太陽と月の関係が、新月~上弦の月~満月~下弦の月~新月と変化していくように、土星と天王星もアスペクトを形成していきます。
0年・・・コンジャンクション
約11年後・・・最初のスクエア(ワクシング・スクエア)
約22年後・・・オポジション
約33年後・・・最後のスクエア(ウェイニング・スクエア)
約44年後・・・次のコンジャンクション
1522年と2021年は、どちらもウェイニング・スクエア(衰退・終焉へ)となります。
金融占星術師のレイモンド・メリマン氏は、土星と天王星のウェイニング・スクエアについて、「節度と安定の破壊者」であり、すべてを破壊した上で、自らがより良いと思う真新しい何かを創造しようとすると述べています。
なので、1522年と2021年は、ともに「破壊と創造」のときと言えるでしょう。
(2022年も、オーブ1度以内のスクエアが続きます。)
そこで、現在と似た天体配置を「出生図」に持つ千利休の人生から、今を生きるヒントはないか考えてみました。
ちなみに、現在の土星・天王星のサイクルは、1988年に射手座27度~29度での合で始まり、次は2032年に双子座の28度で合となります。
なので、現在は、テクノロジー、ビッグデータ、AIなどがあらゆものを繋げて処理する時代への過渡期と言えそう。
千利休について
千利休について簡単に書いてみます。
千利休とは、堺の商人であり、茶の湯の天下三宗匠の一人。茶聖と称されわび茶を完成させました。
織田信長、豊臣秀吉に仕え、諸大名に対しても大きな影響力を持つようになりますが、秀吉に切腹を命じられ、壮絶な最期を遂げます。(その子孫は茶道の三千家として今も続いています。)
利休の革命
信長の時代には茶道具は政治の道具として利用され、茶の湯は、それら貴重で高価なもの(唐物など)を鑑賞する場でもありました。
秀吉の茶堂となった利休は、不必要なものを極限までそぎ落とし、素朴でシンプルな中に常識を覆すような美を演出し、斬新な茶の湯の世界を作り上げます。
茶室に誘う露地、わずか二畳の茶室、泥塗の壁、質素な道具や装飾、わずかに差し込む光、それらが創り上げる非日常空間・・・
漆黒の楽焼き碗や、一輪の朝顔を活けるために、庭に咲いていた朝顔を全て切り落とした話はよく知られていますね。
そして、そのシンプル化は目に見えるものだけでなく精神的な面にも及びました。
お茶に招かれた客人は全員、「躙り口」という小さな入口から、刀を置き身をかがめ膝をついて茶室に入らねばなりません。
余分なものは全て外に置き去り、一人の生身の人間として亭主と相向き合うのです。
そのとき、客人は全身全霊でもてなす亭主の心意気に畏怖し、この世のしがらみから解放されるひと時を過ごしたのかもしれません。(「整いました」という感じでしょうか。。)
土星と天王星のスクエアてきな
千利休は、茶の湯を通して既存の価値観に革命を起こし、新たな美意識を創造しました。
「革新的なおもてなし道」とも言えますね。
このあたり、牡牛座の天王星と水瓶座土星のスクエアっぽくないですかね?
- 前衛的で革新的な美意識・価値観
- 余分な装飾をそぎ落とし、シンプルさの中に美を見出す
- 他人の価値観を真似するのではなく、自ら生み出し、それを広める
- 身分や財力ではなく、人間そのものを見る
ここでポイントになるのは、利休の家は祖父の代からの魚屋で父を早くに亡くし、貧しい時代があったということ。
おそらく、貧しさを知っていたからこそ、発想力によって趣向を凝らし、新しい美・価値観を生み出せたのでしょう。
「茶人」でありながら、前衛的なアーティスト、プロデューサー、実業家、そして哲学者であったと言えるかも?!
それら全てを「茶の湯」に集結させたのですね。
利休の切腹と「道」の完成
秀吉が利休に切腹を命じた理由は諸説ありますが、本当のところはわかっていないようです。
利休は、茶の湯を通して人心をつかみ、そのネットワークで秀吉を陰から支えていたと言われています。ですが、力を持ち過ぎた(そう思われた)のでしょうか。
猶予を与えたにも拘らず自分に屈しない利休に対し、秀吉は切腹を撤回することができませんでした。自分の方が上だと、自分にも周りにも証明したかったのかもしれません。
のちに、秀吉は利休を切腹に追いやったことを後悔したと言われています。
利休は、秀吉という「権威」に対しておもねたり媚びたりせず、最後まで決して屈しなかった。
そして、潔く切腹を受け入れることによって、後に続く人々に自分の生き様と茶の湯の在り方を見せつけたのです。
これにより、自らの「道」を完成させたと言えるのでしょう。
その「道」は、数百年経った今も多くの人が探求し続けています。
利休の生き様をヒントにする
利休は、思想・理想といった、形のない美意識を「茶道」という形式の中に刻印しました。
人々は、茶の湯を通して利休にふれ、近づくことができるのでしょう。
さて、利休の生き様から、何かヒントになるものはあるでしょうか・・・?
それは私たちにしかできない「おもてなしの形」であり「人間や人間関係の本質に迫るなにか」かもしれません。
少なくとも、誰かの真似ではなく、誰かがいいと言ったものでもなく、シンプルだけど豊かな、自分オリジナルの美意識を追求したいものですね。
おまけ・・・ニコラテスラ
現在と似ている天体配置として、ニコラ・テスラのホロスコープに着目してみました。(青文字は2022年6月現在の天体配置です。)
牡牛座の天王星、魚座の海王星、そして木星が来年5月頃までほぼ牡羊座にあって今と共通しています。
天王星と海王星のサインはセクスタイルでサポート関係にあり、
想像力、創造力、推測力によって理想的なアイデアを合理的に実現する、そのための新たなチャレンジという感じでしょうか。
水星は、双子座の28度(牡羊ポイント)、ノーアスペクト、3ハウス(おそらく)で、ハイスペックな頭脳活動がうがかえます。8つの言語に堪能であったことも納得です。
(偶然ですが、2032年の土星と天王星のコンジャンクションは、双子座28度で起こります!)
電気技師、天才発明家であったテスラは、テスラ・コイルや電気の交流方式を発明し、世の中を一変させました。
また、地球を共振させ、そのエネルギーを世界のどこででも使えるようにする「世界システム」を提唱し、実験設備建設までこぎつけました。(実現には至りませんでした。)
テスラの出生データはBランクですが、チャートIC(足下、地球)にピタリとのっている蟹座の太陽・金星(共振)が、6ハウス天秤座の月・火星(生活に使えるエネルギー)とスクエアなのが興味深いです。
現在の天体配置がテスラの出生図と一部似ている、というだけではありますが、、
エネルギー問題が行き詰っている今、もしかしたらエネルギーを生み出す画期的なシステムが開発されて、テスラが思い描いていたようなフリーエネルギーが現実になりつつあるのかもしれません。
そして、そのエネルギーは、誰かが権利を独占するのではなく、誰もが利用できるように開放する必要があるのでしょう。
・・・・・
あとがき:
トランジットはその時代を表すのに対し(マンデンとして)、出生図としてのトランジットはその人の人生を通して(ときには死後も)表現されます。
今回は、次元の違う?それらのトランジットを合わせて考えてみました。それが有効かどうかはわかりませんが。。。
最後までお読みいただきありがとうございます!
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