最近、『ガイアの法則(新版)』(千賀一生 著)という本を読んだのですが、大変興味深いことが書かれていました。
今回は、その内容について、西洋占星術にも関連すると思われる部分を中心にまとめてみました。「フィクション」として、よろしければお読みください!
注:文中の図や表は、著書や資料を元にして新たに作成しています。正確な内容については引用元をご確認ください。
最初に、『ガイアの法則』には、「本書はファンタジーでありすべてフィクションです」と書かれていることを記しておきます。
16分の1ビートの法則
古代から地球上ではいくつかの文明が栄えてきたが、そこには法則がある。
どのような法則かというと・・・
- 空間的には、経度「360度」を16分割した地点において、
- 時間的には、地球の歳差運動のサイクルである「25,776年」を16分割した期間ごとに、
世界の中心となる文明の地が移動するというもの。
つまり、文明の中心地は、約1600年ごとに経度22.5度ずつ移動してきたのだという。
これは、「16分の1ビートの法則」であり、著者は「聖なるリズム」と呼んでいる。
(22.5度は、占星術でいうとセミスクエアのさらに半分であり、ハーモニック16にあたりますね。)
東回りと西回りの文明の移転
そして、文明の中心地は、シュメール~インダスを基点にして西回りと東回りで移動し、約800年毎に交互に発展したという。
西回りには父性・男性的原理、東回りには母性・女性的原理が働き、それぞれ物質文明、精神文明という両極の特徴がある。
次の図は、著書の内容に従って、主な文明とその年代についてまとめてみました。
東回りと西回りの文明をピックアップすると・・・
【東回りの文明】
- シュメール・・・6400~5600年前
- インダス・・・4800~4000年前
- ガンジス・・・3200~2400年前
- 唐・・・1600~800年前
- 日本??・・・現在~800年後
さらに、これら文明の中心地の経度は・・・
- シュメール・・・東経45度
- インダス・・・東経67.5度
- ガンジス・・・東経90度
- 唐(長安、洛陽)・・・東経112.5度
- 日本(明石)??・・・東経135度
となり、約1600年毎に、約22.5度ずつ東に移動している。
【西回りの文明】
- 前インダス・・・5600~4800年前
- メソポタミア・・・4000~3200年前
- ギリシャ・・・2400~1600年前
- ロンドン・・・800年前~現在
さらに、これら文明の中心地の経度は・・・
- インダス・・・東経67.5度
- メソポタミア(シュメールと同じ地域)・・・東経45度
- ギリシャ・・・東経22.5度
- ロンドン・・・東経0度
となり、こちらも約1600年毎に、約22.5度ずつ西へ移動している。
つまり、約1600年ごとに、東へ22.5度ずつ移動する文明のサイクルと、西へ22.5度ずつ移動する文明のサイクルがあるということ。
そして、東回りと西回りの相反するスピンにおいて、東回りの地で800年、西回りの地で800年と交互に文明が栄えてきた。
それはまるで、DNAの二重らせんのようだ。
ロンドン
この法則によると、ロンドンは約800年前から現在まで文明の中心だったことになる。
今年は、イギリスの象徴ともいうべきエリザベス女王が、長きに渡る大役を果たされてご逝去された。
『ガイアの法則』には、
”文明にも寿命があり、その誕生の地は、その文明の終わりの日まで、その文明の全てを象徴する”
”寿命が終わると、その文明の権威や固有のカラーが消失する”
と書かれている。
イギリスで『マグナ・カルタ』が制定されたのは、まさに今から800年前。
この条文には、法の支配、議会尊重、宗教の自由などについて記されていて、今日の民主主義の原点と言える。
小さな島で話されていた英語が、今や世界の共通語となっていることもあらためて納得。
エリザベス女王の葬儀では、イギリスの文化、歴史、精神、威厳、誇りなど、全てが象徴されていたように思う。
「16分の1のリズム」で結ばれる焦点ポイントには、必ず最大級の都市文化が誕生し、人類文化の進展に最大の影響を及ぼし、最大の国際都市となる
と書かれている。
現在は?
現在は、ロンドンを中心とした西回り文明の終焉とともに、東回りの新たな文明がすでに胎動を始めているという。
そして、その地は東経135度。
これは日本標準時間の基準である明石を通るライン。(つまり、壮大なスケールにおける次の文明の中心地は近畿あるいは日本である可能性?!)
新たに焦点が結ばれる変化の時は「死と再生の節目」であり、地球の中枢が奏でるリズム(脈動)は、地球上の全生命を連動させる、と著書に書かれている。
この節目として、著者は、1995年の阪神淡路大震災に注目している。
そして、その転換期間は、1600年÷16=100、約100年間。
意識の次元では1945年~2045年の100年間、その結果である現実社会においては1995年~2095年が転換期間であるという。
ただし、
意識次元の転換期間の真っただ中である今こそ、最も肝心な真の節目なのだそう。
著書には、ラインの影響は日本全国に及ぶが、最も強いフィールドは、東経135度~136.4度の範囲内であると書かれている。また、それに先立ち、ラインの手前(西側)の国々にも影響があるという。
4分の1のリズム
現在は東西のスピンが最も開いた、最大スケールの文明転換点なのだそう。(上記の図を参照、矢印が東西に広がっている)
つまり、春分・夏至・秋分・冬至など重要な節目である「4分の1リズム」で言うと、「夏至」にあたり、
それまでの6444年間(約1600年×4、歳差サイクル25,776年の4分の1)の文明とは全く異なる世界になるという。
そして、その新文明はすでに胎動を始めている?!
新月や満月のときと同様、これらの区切りの時期には、古いものや滞ったものを潔く捨てて、新しい躍動を手に入れることが重要。
そして、過去の文明、システム、権力、考え方などに固執するほどハードな喪失をこうむる。
宇宙のリズムに合致した努力は、必ずあふれる使命感、躍動感、爽快感を伴うのだそう。
文明サイクルとグレート・コンジャンクション
『ガイアの法則』には、全てフィクションであると書かれていましたが、その裏付けとなるような、「文明法則史学」という興味深い研究をネット上で見つけました。
二つの文明サイクル
「文明法則史学研究所」のHPより、その説明を抜粋して引用します。
文明史には1600年の盛衰周期が存在する。800年の準備期と800年の文明期である。
1600年を周期として準備→開花→成熟→崩壊の過程を繰り返し、CC(文明サイクル)に対する位相と文明現象との間には関連性が認められる。すなわち、文明はあたかも1600年周期の四季をもつように振る舞う。
CCは東西二系統に大別される二極構造をもち、両系統は互いに逆位相の関係にある。
http://bunmeihousoku.com/bunmei
この文明法則史学の研究は、日本の文明研究家 村山 節 氏(むらやま・みさお;1911年~2002年)の発見(1937年頃)に始まるとのこと。
「文明法則史学研究所」の資料内容をお借りして、1600年の盛衰サイクル図を作成してみました。
「文明法則史学」の研究においても、800年の準備期と800年の文明期が、東回りと西回りで交互にあらわれるとしています。
よく、歴史は繰り返すと言いますが、一つの文明サイクルは栄枯盛衰の四季を経て、別の文明サイクルにバトンタッチしていくことは納得ですね。
その他にも文明サイクルについて、大変詳しい研究資料が閲覧・ダウンロードできるようなので、ご興味があればHPを確認してみると勉強になると思います。
占星術的に考えると・・・
さて、800年というサイクルは、占星術でいうグレート・コンジャンクション*による、約200年ごとの「風・水・火・地」の時代の流れとほぼ一致しています。
*木星と土星の合。約20年ごとにおこり時代の傾向・節目を示す。約200年ごとに合が起こるサインのエレメントが変わり、約800年で最初のエレメントに戻る。
そこで、文明の盛衰図にグレート・コンジャンクションのエレメントを加えてみました。(下の図参照)
2020年12月の水瓶座0度でのグレート・コンジャンクションは「風の時代の到来」とブームになりましたが、同時にコロナや侵略により世界的な変動が起きています。
東西の文明サイクルから見ると、現在~約400年後は、東回りは「夏」の時代の到来でありルネッサンスのときであるのに対して、西回りは「冬」の時代の到来であり、民族大移動、武力政権、文明崩壊の激変期のときにあたるのは頷けます。
一つの文明期を、
- 「風」=民族大移動に始まり、
- 「水」=共感でつながり、
- 「火」=創造性が躍動し、
- 「地」=文明爛熟~形骸化で終わる、
と考えてみるのもフィットしますね。
ちなみに、『ガイアの法則』には、文明期の800年の中で、300年~500年頃が「力の中心期」だと書かれていて、これは「水」から「火」への時代に相当します。
西暦1100年頃、東回りの文明が準備期である冬の時代に入る少し前、日本では白河上皇が院政をスタートさせました。それまでは神仏を敬い仕組みでものごとを解決していたのが、力でねじ伏せるようになったターニングポイントと言われています。
言語について~英語と日本語~
『ガイアの法則』によると、大西洋の中央には「分離相対性」のエネルギーラインがあり、その裏側である日本列島の東側には「融合性」のエネルギーラインがある。
そして、ロンドンは陸地の中で最も「分離相対性」の作用が働くフィールドで男性性が優位となり、対する日本列島の東側にある「融合性」ラインのフィールドでは女性性が優位となるのだそう。
言語は文化の核であり、それを話す人々の観念に最も強い影響をもたらすことから、イギリス発祥の英語は、男性性優位のエネルギーを世界にもたらしたと言える。
それに対して、日本語はその対極である女性性優位のエネルギーをもたらすだろう。
たしかに、英語はほぼ全世界で話されていて、もし言語が力を持つとしたらその影響は計り知れないですね。
そして、日本語と英語を比較すると、日本語には尊敬語、謙譲語、あいまいな言い回しなど、言葉自体に相手への配慮が含まれるように思います。あと、俳句など短いフレーズで余韻や言外のイメージを楽しめますね。
言語の影響を考えるのは興味深いです。
その他印象に残った話~スピンと聖なるシンボル~
文明のサイクルについては、何とも壮大なスケールで、自分の中の時間軸がグーンと伸びた感がありますが、その他、印象に残った点について簡単に書いておこうと思います。
すべてはスピンから始まる
宇宙のあらゆるリズムは「スピン」によって引き起こされている。
例えば、地球の自転(24時間)や、公転(365日)、歳差運動(25,776年)など、すべては循環であり秩序である。
そして、それらが睡眠のリズム、身体のリズム、四季のリズム、文明のリズムなどを作り出している。
いわゆる16ビート(4・4・4・4)も宇宙のリズムそのものであり、自然に快感を覚えるリズムなのだそう。(そう言えば、応援の三三七拍子も16ビートですね~)
これからは、この宇宙的リズム感が大切だとのこと。
そして、スピンについて次のように書かれている。
何もない空間に物質が存在しているのではなく、空間という広がり自体がエネルギーであり、空間スピンはその部分的脈動である。
その脈動は自立した空間領域を生み出し、それにより物質と固有意識が成立する。
そして、スピンは何層もの包括領域を形成して万物を生成し、秩序化へと向かわせる。
空間は生きている!
さらに、自立した空間領域とともに生み出されるのが自立した時間領域だという。
この自立時間の作用があらゆる宇宙リズムを生み出す。
すべての現象は、時間と空間というたった二つの広がりの部分的変形にすぎず、物質の根源であり、生命の根源でもあるのは、空間それ自体である。
ものすごく興味深いですね~。でも、このように考えると世界はシンプルで分かりやすいかも。。
スピンとは「悦」なのだそう。
16放射線状のシンボル
最後に、【聖なるリズム】のシンボルについて。
人間の本質の象徴であり、宇宙の本質の象徴を表しているのが、16放射線状の【聖なるリズム】のシンボル。(写真の腕輪、菊花紋のような)
このシンボルは、シュメールやエジプト文明、日本の皇室、エルサレム、ユダヤ、バビロニアなどの遺跡にも見られる。
このシンボルは文明の叡智を示すものとして受け継がれてきたとのこと。著書には、シュメールよりも古い文明が日本で栄え、そのエッセンスがシュメールに伝わり、その後日本に逆輸入された可能性についても書かれている?!
スピンの原点でもある、そのシンボルの中心からすべての創造リズムが始まり、
そのシンボルは、知識が一点に統合された叡智をも表している。
そこでは、魂の包括領域の拡大こそが重要なのだという。
つまり、意識を肉体の中だけにとどめておいてはいけない、ということ。
著書の最後の方に、
「人間は、真の本質に繋がらない限り、才能も自信も生まれはしない。…」と書かれていたのが、とても心に響きました。
・・・・・以上
この記事では、主に文明のサイクルについて取り上げましたが、著書にはその他にも興味深いことがたくさん書かれています。
個人的には、木星と土星のグレート・コンジャンクションについて、また違った面から理解が深まったことは大きな収穫でしたし、「文明法則史学」という研究について知ることができたのも良かったと思います。
また、物質や生命の存在が空間スピンによって生まれるという話に驚き、でもとても腑に落ちてワクワクしました(笑)。
本書はファンタジーでありフィクションである、と書かれていますが、その内容は示唆に富み、重要なインスピレーションを与えてくれたと感じています。
最後までお読みいただきありがとうございます!
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