ジョコビッチの復活!~6ハウスの蟹座の火星と時期表示~

2017年7月の右肘負傷による長期休養宣言から一年、2018年7月のウィンブルドンで、ノバク・ジョコビッチ選手が見事に復活、優勝しました。

ジョコビッチといえば、メンタルの強さ(サバイバル精神)と最後まで衰えないコントロール技術が特徴のようです。

テニスは、一瞬の気の緩みやコントロールの甘さが試合を左右するので、いかに粘り強く集中力を維持するか、自分との戦いですね。

ジョコビッチ選手のチャートです。(astro.comより。データランクはAA)

☆ジョコビッチの人生において、6ハウス蟹座の火星がとても印象的だったので、赤字にしてみました。

<チャートの(心理的)分析>
これはあくまでも可能性であり、実際には様々なあらわれ方をします。

北半球への偏り
幼少期の家庭における未解決の問題。

双子座の太陽
幅広い情報収集とコミュニケーションのエネルギー。ペレグリンで独自のペースがある。

牡羊座の月
No.1を目指す。アグレッシブに前に出る面と(火星とスクエア)、情緒的に揺れる面(海王星とスクエア)があるのでは。

逆行の土星(11)が水星5,6,8(5)とオポジション
父親の影響が、愛情のやり取りやセクシュアリティの面にあらわれる。愛情を強く求める傾向。射手座土星と双子座水星で、「運動」能力に関する時間をかけた研究と実践。

冥王星MC(9)と金星4,9(3)がオポジション
両親問題と教育(海外)の関係。あるいは考え方への影響。強い愛着。

天王星AC(12)と火星3(6)がオポジション
兄妹関係や「考え方」における緊張と自己像の問題。あるいは、ストイックな自己管理と自己鍛錬が健康に及ぼす影響。火星は牡羊ポイントにあり、その分野で有名になる可能性。

火星3(6)は月7(2)とスクエア
兄妹問題や「考え方」は、自己価値や対人関係にも影響を及ぼす。
あるいは、自己鍛錬によって自己価値を上げる。ミューチュアルレセプションでこれらは強い関連性あり。

海王星2(12)が月7(2)とノード軸にスクエア
母親問題と自己価値。その対人関係への影響。母親への郷愁と感受性。弱い母親?

<重要と思われるミッドポイント>

AP=火星3(6)=天王星/海王星
臨機応変な創造性で有名になる。「火星=天王星/海王星」は狂言師の野村萬斎氏にもありました。分野は異なりますが、直感やイメージを瞬時に動きにする、という意味で共通しているのかもしれません。

AP=火星/天王星
突然の爆発的パワー、性急性、神経の緊張、ストレス、サバイバルな要素が公になる。

太陽7(4)=天王星/冥王星
自由と独立への渇望、革命(幼少期の家庭において、あるいは公衆への表現において)。

月7(2)=火星/海王星
情緒的感じやすさ。カリスマ性。

水星(5)=土星AC(11)=太陽/海王星
情緒的感性と葛藤。理想主義とそれを形にすること。

天王星AC=水星/火星火星/土星
興奮、早急な考え。大きな反抗心、パワーの適用。それらが自分の個性となる。

似たような表示が重複しています。独立心やパワー、焦燥感や神経のストレスとともに情緒的感じやすさが表れています。

<ジョコビッチの生い立ち・テニスとの出会いとドイツ留学>

セルビアのベオグラードで、ピザ屋を営む家の3兄弟の長男として生まれます。父親は元プロスキー選手で優れたサッカー選手でもありました。

4歳のときにテニスに出会いコーチに才能を見出されます。コソボ紛争で空爆が始まったときには、あえて空爆の跡地を選んで練習に励んだそうです(同じ場所は爆撃しないと考えた)。

10歳の時には、「テニスは仕事である。」と明言しています。
(スポーツを示す火星が、仕事の6ハウスにあります。)

13歳の時、両親が全てを投げ打ち、借金をしてジョコビッチをドイツに2年間留学させます。ジョコビッチは振り返って次のように言っています。

「ドイツでは、How to play ではなく、How to win を学んだ。常に最短距離で仕事としてトップに登りつめることを目指した。
(牡羊座の月)

当時、父親からはこう言われていたそうです。

ノバク(ジョコビッチ)にはミッションがある。お前が世界No.1になってセルビア人は歴史があり文化もある普通の民族であることを世界の人々に伝えるのだ。」(注:コソボ紛争でセルビア人は「民族浄化」の悪者になってしまった。)

13歳のジョコビッチは家族/民族の期待を一身に背負い(そのように感じ)、それは励みである反面、大変な重責であったことでしょう
(MCルーラーである蠍座冥王星とICルーラーである牡牛座金星が、ほぼMC軸上でオポジション。社会での表現と自分のルーツ・家族に関わる深い感情。)

2008年20歳の時、ついに全豪オープンで優勝します。

その後の、二度の大きな変化の時期に注目してみました。

<① 体質改革・グルテンフリーの食事へ>

自身でも最低の時期と言っている2009~2010年ころ、試合中に突然息ができなくなったり、腹痛を起こすなど不調に悩まされます。練習メニューは完璧なのに、なぜなのか?

その様子を見ていたセルビア出身の博士が、食事が原因ではないか?として検査をします。その結果グルテン不耐症であると判明し(ご実家はピザ屋です)、食事の内容などを徹底して管理しました。すると、

そのわずか18か月後には、別人のように生まれ変わり、

2011年は全豪、ウィンブルドン、全米で優勝し、ついに自身初の世界ランキング1位となります。

<そのときの主なトランジット

・ノード軸がアセンダント通過

グルテン不耐症を見つけてくれた博士との出会い。

・トランジットの土星と天王星が、蟹座の火星3(6)と牡羊座の月7(2)にスクエア

日々の食事の徹底したコントロールにより体を新しく作り変える。
月と火星のミューチュアルレセプションはここに強く表れているのでは。

・トランジットの冥王星が、牡羊座の月7(2)と海王星2(12)にハードアスペクト

2ハウスへのさらなる緊張。体質という「自分の持ち物・価値」を究極まで変革していきます。

ジョコビッチは食事の重要性について、次のように言っています。

「食べたものと身体の反応には寸分の狂いも許されない。(体は)精密な楽器である。」

出来事とトランジットを照らし合わせると、出生図の配置が示している要素がよくがわかりますね。
ジョコビッチの特徴や強さの秘訣は、6ハウス蟹座の火星(と2ハウス牡羊座の月)がとてもよく表しているな、と思います。

<② 負傷から復活までのトランジット>

2015年の『ジョコビッチの時代』を経て、

2016年、全豪・全仏オープンで優勝

トランジット冥王星がアセンダントに接触(2回)

2016年11月に世界ランキング1位から陥落

トランジット冥王星がアセンダント通過(3回目の接触)、同時にサタン・リターン

2017年7月、右肘痛悪化で年内の試合を欠場することを宣言。

プログレスの月がIC通過

自身のフェイスブックの動画でこのように述べています。

「前向きにとらえていこうと思う。人生におこることにはすべて理由があるはず。休養の時間を家族のため、自分の回復のために使う」「以前、これほど大きな出来事に直面することはなかった。それも新しい経験ができるととらえている。逆を言えば、これまで健康的にすごせたことへ感謝したい。今後、数年間プレーを続けるための基盤を作るいい機会。」

2017年7月~、1年間の休養。

トランジット冥王星が木星11,12(3)にスクエア

2018年7月、ウィンブルドン優勝。

トランジット木星がMCにコンジャンクション
ソーラーアーク太陽=火星=AP*
ソーラーアーク土星=木星

*印のソーラーアークはアスリート活躍の鉄板時期表示ですね。マイナスの状態からの優勝でとても印象的だったので、調べてみたら納得でした。
優勝を決めたあと、ジョコビッチは喜びのあまり芝を食しておられました(笑)

<その他>

・2007年ノバクジョコビッチ基金の設立・・・親を亡くしたり病気や教育を受けられないこどもたちの苦しみを軽減し才能を伸ばすための支援を行う。

蟹座の火星(6)スクエア月(2)
天王星オポジション火星(6)

こどもを対象とした社会奉仕(6ハウス)。テニスを続けられたことが彼の人生においてどれほど重要であったか。

・2013年?本の出版。(邦題「生まれ変わる食事」)

冥王星MC(9)オポジション金星9(3)
木星(3)セクスタイル双子座の水星5(5)
木星(3)のディスポジターは、蟹座のAP火星3(6)
3-9ハウスと水星・木星の強調。

自身が取り組んで成功した、日々の食事による心身の自己改革がテーマ。

・2014年7月に結婚、10月に長男が産まれる・・・以前は短気で、プレーでミスが続くと激高してキレる面があったが、父親となってからは変わった。「家では夫、父親であり、それが絶妙なバランスとなっている。」

結婚のとき、

トランジット土星がMC通過
トランジット木星がDC通過

ソーラーアーク木星=MC
などがありますが、特に正確な表示は、
プログレスの月 コンジャンクション 出生の月(P月リターン)でした。

一児の父になることで、天王星と蟹座火星のエネルギーを「勝つ」ことから「こどもを守る」ことへ、そして土星と5ハウス水星を「戦略を考える」から「愛情を与え育てる」ことへ切り替えられるようになったのではと思います。
「父親」という新たなアイデンティティ(天王星ACと土星AC)が生まれて、気持ちにもゆとりが生まれたのでしょうか。

・フェデラーの存在・・・ジョコビッチはフェデラーについて、”He is the reason why I’ve been successful.”と評しています。

シナストリーをみると良きライバルとしての表示が見つけられるでしょう。

<最後に>

今回の優勝について、バイダコーチは次のように語っているそうです(The Tennis Dailyより)

「間違いなく彼は以前よりリラックスしている。それに楽しんでいる。楽しみ始めたんだ。」「これは最も大切な瞬間だ。彼は自分の能力に対する疑いや恐れがなくなった。だから楽しめるんだ。」

そして、ジョコビッチはこう振り返っているそうです。

とても長い道のりだった。どれほど辛抱しなければいけないか学んだ。」「今となって話すのは簡単だが、自信をなくしたりフラストレーションを感じたり、落胆したりした瞬間もあった。」「ここまでくるプロセスは正しいんだと自分を信じて言いきかせてきた。」「この道のりのすべてが僕にとって特別なものになる。」

こどもがパパ、パパと声援を送ってくれたことは最高。僕の人生で初めてのこと。

ジョコビッチにとって本当に大きな優勝だったのだなと思います。

こどもの頃父親を喜ばせたかったジョコビッチが、こどもの声援を受け喜ばれる父親になりました。我が子との関係に、自分と父親の姿を重ねたのでしょうか

チャートを検証することで、その人の人生の一部を追体験させていただけるのは、大変興味深いですね。