野村萬斎氏が東京オリンピック式典のチーフECDに選ばれた理由

7月31日に火星が15年ぶりに地球に大接近しました。夜空に輝く赤い星をご覧になった方も多いのではないでしょうか。同日、2020年東京オリンピック式典の統括責任者(チーフECD)に就任した狂言師の野村萬斎氏らが記者会見を開きました。

7月28日の皆既月食(水瓶座4度)と31日の火星大接近(水瓶座2度)。これらの天体配置をふまえて、萬斎氏らが描く式典のコンセプトについて考えてみたいと思います。

さらに、なぜ萬斎氏がチーフECDに選ばれたのかを、占星術の観点から探ってみます。

以下、記者会見の記事より抜粋

「テーマは『鎮魂と再生』。戦争や災害(死)から目を背けず、生きていることの幸せを分かち合いたい。それは能や狂言などの芸能の重要な部分でもあり、(自分が選ばれたことは)その精神を生かすことに意味があるのでは。」

「オリンピックの開会式、閉会式、パラリンピックの開会式、閉会式を起・承・転・結』の形で表現したい。

伝統的な発想がありながら、現代に生きる人々の印象に残るようなテクノロジーを含めて盛り上げていきたい。」

多様性の包括

「なにより上質な日本の精神にのっとったものにしたい。」

萬斎氏のチャートを見てみました。(出生データはウィキペディアより。出生時間は不明)

萬斎氏のチャート

・牡羊座の太陽と火星

まさに先頭に立つ開拓者

月は天秤座で周囲の反応を取り入れながらバランス良く物事をすすめていく

・水瓶座の金星がノード軸とスクエア。

博愛精神と人気。(母親からの影響。)

・魚座の土星と水星がタイトにコンジャンクション。水星は逆行して土星と接触した直後のステーション(留)。(順行に転じた水星は、数日後に魚座23度で再び土星と接触する。)

魚座の土星・水星の強調。何度も反芻された幻想的なイメージを分かりやすい形(言葉や動き)にして芸術に仕上げる。木星スクエアと海王星トラインでイメージが際限なく広がる。

伝統を受け継ぐべく、幼いころから厳しい稽古を重ねてきたことが想像できます。

萬斎氏演出&出演のこども番組で、黒い人と白い人が「ややこしや~ややこしや~」と言いながら狂言風に踊る場面に、思わず目が釘付けになったことを覚えています。多くのこどもたちが知っているフレーズですね。

・乙女座の天王星と冥王星の正確なコンジャンクション(下記参照)。

重要と思われるミッドポイントは?

AP=太陽/天王星=太陽/冥王星
個性や革新的精神、新たな展望、人々を動かす力が広く知れわたる。

火星=天王星/海王星=海王星/冥王星
現場に応じた創造性。物事の判断に関して人々を強く惹きつける。

水星=土星=太陽/金星
理想主義を形にする。

木星=金星/火星
芸術や人間関係の成功。

やはり、革新的な芸術により人々をリードする様子がうかがえます。

現在の主なトランジットは?

・トランジットの海王星が乙女座の天王星・冥王星にオポジション(創造性やインスピレーションによる変革・変容

・トランジットの冥王星が牡羊座の火星にスクエア(行動力の鋭い活性化

・トランジットの木星が蠍座の海王星にコンジャンクション(創造性の拡大

トランジットだけでも、火星、天王星、冥王星、海王星あたりが強調されていてスタート感がありますね。

天王星と冥王星のコンジャンクション(世代配置)について

注目したのは、天王星と冥王星の正確なコンジャンクションです。つまり、この時代を象徴するような人物、人生であると考えられます。

このコンジャンクションが起こった日にちを調べてみました。

1回目 1965年10月10日 乙女座17度10分
2回目 1966年4月4日  乙女座16度27分(ともに逆行)
3回目 1966年6月30日 乙女座16度5分

乙女座の16~17度が強調されています。この間土星はずっと魚座にあり、3回目の接触の時には、魚座の29度にありました。(その後、土星は魚座29度から逆行。)

旧くなったものを壊して、混沌の中からシンプルに洗練された新しい形を生み出そうとしているかのようです。(変革と破壊・再生のエネルギー)

萬斎氏は、まさに、2回目の天・冥接触の時に生まれました。水星(留)は天王星・冥王星(乙女座)のディスポジターであり、それらの強いエネルギーを引き受けて形(土星)にします。試行錯誤(逆行)を重ねて、幽玄の形式美の世界を創り上げます

ちなみに、1966年6月29日にビートルズが来日し、6月30日(3回目の天冥接触)から3日間武道館公演を行っています。音楽を通して人々に大きな影響を与えました


余談ですが。。。ちょっと興味深い配置があります。

前々回の天王星と冥王星のハードアスペクトは、1901年2月1日、1901年4月30日、1901年12月17日に、射手座(天王星)と双子座(冥王星)の15度~17度でおこっています。

そして、2回目の接触(4月30日)は、裕仁前天皇陛下のご生誕数時間後に、射手座―双子座16度でおこっています。萬斎氏と同じ柔軟宮16度での天冥オポジションです。

16度(サビアン度数17度)のキーワードは『瓦礫の山で新たな希望を見出す(松村先生著「ディグリー占星術」より)。柔軟宮は「調整」であり、「新たな時代への架け橋」といった感じです。

『東京オリンピック』をキーワードにお二人のチャートの繋がりがみえました。やはりその時代を象徴する人物であり、どこかで繋がっている重要なお役目があるのでしょうか。


2020東京オリンピック式典のコンセプト

火星の大接近は、平和の祭典(オリンピック)に向けた「エネルギー・チャージ」であり「着火」とも考えられます。水瓶座3度のサビアンは『海軍からの脱走兵』。「社会の規律から離脱して理想の理念を追求する」意志表明でしょうか。

そして、皆既月食の水瓶座5度のサビアンは『先祖の委員会』。そのためのネットワークが目に見えないところで張り巡らされたのかもしれません。

式典に込めるコンセプトは以下のコメントがよく表しています。

我々人類、地球上のすべての生き物が、ある歴史を背負って、いま現在というところにあるその事実を再認識する必要があるのではないか。そういう中で、それを一種のセレモニーとして芸術的かつエンターテインメントとして皆様にお届けしたい・・・」

テーマである『鎮魂(過去)と再生(未来)』、その間にある『』を深くかみしめて生きること。セレモニーという芸術作品、そしてそこに至るまでの過程に込められたメッセージによって、我々の意識は変容を促されるのかもしれません。

今、オリンピックが再び東京で開催されること・平和への祈り

2度の東京オリンピックのチャートを二重円でみてみます。
(1964年のチャートは、天皇陛下が開会宣言をされた時刻、2020年のチャートは開会式開始の予定時刻で作成しています。)

興味深いのは、前回の東京オリンピックのとき(1964年10月10日~)、ノースノードは双子座の26度、今回(2020年7月24日~)は双子座の27度。前回のオリンピックのチャートからのノード・リターンであることです。

何かダイアルがカチッとはまった感じです。人間であれば重要なできごとや出会いがあるときです。

さらに興味深いのは、そのノード軸は、裕仁前天皇と昭仁天皇のアセンダント軸(射手座26度と27度)、そして徳仁皇太子と萬斎氏の木星(射手座28度と双子座24度)にのっていることです。天皇の存在は日本の象徴であることを考えると興味深いです。

2度の東京オリンピックは、「復興」に向けた大きな機動力であり、また、日本という国を通して世界がつながり、日本から世界に向けてメッセージを発信する機会であるといえるのでしょう。

徳仁皇太子(新天皇)と萬斎氏の木星にノード軸がのることは、そのメッセンジャーとして選ばれたということかもしれません。

そして、そのメッセージとは、『平和への祈り』を一人ひとりの心にあらためて灯すこと、なのだなと思います。